3/25に発売された『まいてつ』をクリアしましたので、早速レビューしてみたいと思います。いつものおことわりですが、本日のテキストはとある偏った趣向が多分に含まれたものとなります。そういった趣向を許容できない方はお読みいただきませんようお願いいたします。もし不快感を覚えても責任は持ちませんので、あしからず。
【まず総評】
『はじめてのおるすばん』『はじめてのおいしゃさん』以降、ギャルゲーにおいてロリータゲーム⇒ロリゲーというサブジャンルが確立されましたが(??)、
《はじめてシリーズパロディ同人》
今回の『まいてつ』はロリゲーの歴史上において頂点に位置する名作だと思います。シナリオ、世界観の作り込み、グラフィック、システム、Hシーンへのこだわり、周辺サービスなど、ほぼあらゆる要素がハイレベルに揃っていて、他のロリゲーを圧するクオリティに仕上がっています。このブログでは何回か「ロリゲーにシナリオは不要だ」という論を述べているような気がしますが、『まいてつ』に関しては例外です。ロリ&ペド属性がない方でも、十分に満足できる作品だと思います。
では、いくつかの要素について雑駁ですがコメントします。
【レイルロオド】
まず、要の設定である、列車を支えるアンドロイド(?)またはホムンクルス(?)であるレイルロオドについて。
身長130センチ以下のちみっ子としてロリ&ペドのど真ん中にフィットする素晴らしい娘たちであり、キャラとしても魅力的なヒロインです。最近の流行だと艦娘だのメンタルモデルだのといったアイコンがありますね。もちろんこれらの要素も入っていると思いますが、ギャルゲーの伝統に鑑みれば、やはりHMX-12 マルチの系譜を受け継ぐ人造ヒロインであると考えるのが妥当でしょう。
感情の機微や恋愛要素がきちんと擬人的に描かれているというのは当然ですが、彼女たちの描写には機械的・機能的な側面と有機的・人間的な側面の両面がしっかり描かれています。SLのレイルロオドは石炭を食い、ディーゼル動車/ガソリン動車のレイルロオドは軽油やガソリンを飲むという描写や、彼女たちが自らを道具=物であると認識しているという描写はは機械的・機能的です。それに対して、彼女たちは子供は作れませんが戸籍上の女性として結婚できますし、生理の描写もあり、有機的・人間的な側面も描かれています。ロリゲーにおいて生理イベントは昔からある定番の一つですが、こういう設定も面白いですね。
《レイルロオドのモデルその1》
《レイルロオドのモデルその2》
《生理イベントの先輩》
【設定】
表題の「まいてつ」とは、作中において鉄道が廃線になった後も鉄道を愛する熱狂的なマニアのことであり、作中では「まいてつ」たちが廃れゆく鉄道文化を支えているそうです。私には鉄道ファンとしてのアビリティがないのであくまで雑駁な印象ですが、やはり鉄道の設定については徹底的に作り込まれているようです。スマホもインターネットもある世界なのになぜか鉄道の電化だけがほとんど進まなかったという設定なので、出てくるのはSLやらディーゼル動車やらの古めかしいものが中心です。レトロな手触りが作品にあたたかい風味を与えていますね。詳しい用語集がついていたり、適宜テキストで鉄道関連の知識を補ったりしてくれるので、プレイしながら鉄道に関する知識を学んでいけます。
前作『ものべの』同様、現地取材は入念に行われているようです。背景やグラフィックのクオリティはもちろん、テキストとしての地域の描写も非常に精細だと感じられます。北九州工業地帯や筑豊炭田などの産業史、地域の伝統文化などの文化史・社会史的な設定の作り込みもしっかりしていて、地域にしっかりと根を下ろした作品であるといえるでしょう。
【シナリオ】
シナリオのテーマは「地域の活性化」でいいでしょうか。私は山形出身なので、さびれていく地方をいかに立て直すかが切実な課題であることは承知しているつもりです。SLを活用した観光企画、炭鉱のテーマパーク化、地域の特産物のブラッシュアップ、鉄道への投資など、各ヒロインの職業や特技にからめた複数の振興策がルートごとに用意されていて、最終的にグランドルートで鮮やかに収斂します。政治的な駆け引き、強固な結束のコミュニティ、シビアな金銭の話、地方議会の様子、地方のマスメディアの様子など、様々な要素が具体的かつ精細に描写されています。また、明確な悪人を作らず、登場人物がみんな正負や清濁を併せ持つように描かれていて、ほぼ全ての登場人物に感情移入できるので、バランス感覚もいいと思います。なお、今のところ前作の『ものべの』のようなサプライズ展開はないようなので、ご安心ください。
【Hシーン】
ヒロインの数に対してHシーンの数がやや少ない気がしますが、この後どんどん追加されるはずなので、続報を待ちましょう。立ち絵がぬるぬる動くようになったので、『ものべの』よりもHシーンのクオリティは上がっていて、抜きゲーとして見ても及第点です。ヒロインの外見設定が園児から小学校の低学年・中学年、そして中学生までと多彩で、ロリ&ペドオタの幅広い(?)要求にこたえる布陣となっています。おしっこ、飲尿、アナルファック、処女貫通、生理イベントなど、ロリゲーに必要な変態的な要素はとりあえず入っています。ただ、和姦かつ甘々のゲームなので、変態性のエスカレートやそれに伴うカタルシスは期待しないほうがいいでしょう。ちなみに、全Hシーンの解放機能がちゃんとついているので、シナリオをすっとばして抜きたいという、ユーザーのプリミティヴなニーズにも誠実に対応しています。あとはハーレムルートがあれば完璧だったのですが、こちらも続報に期待しましょう。
【まとめ】
冒頭の繰り返しですが、ロリゲーというサブジャンルにおいては史上最高の名作だと思いますし、ロリ&ペドの属性のない方でも十分に楽しめる高いレベルの作品です。今後の追加シーンやグッズ展開などもしっかりなされるはずなので、クリア後の楽しみもたくさんあります。極私的には恐らく『まいてつ』が2016年のマイベスト1になるでしょう。
先日、某所で友人から、『まいてつ』が海外展開されるので向こうの翻訳者とやりとりしているという話を聞きました。
ガチのロリ&ペドなんですけど・・・。尖鋭的な性文化の輸出促進に祝杯を挙げましょう。