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otomeguの定点観測所(再開)

文芸評論・文化評論・思想・社会科・国語表現・性文化・スポーツ観戦・科学・飲み食い・与太話 【一部、性的に過激で頭のおかしな記事があります】

メンタルヘルスへの配慮とコンプライアンスが抜け落ちた企業

社会評論

 以前、うつ病で休職していた知人が軽快したとのことで、快気祝いの飲み会を行いました。ところが、復職のために会社の人事担当と交渉したところ、こんな話になったとかで・・・。

  その知人はうつ病にかかって会社を6か月休職していました。やっと回復して仕事ができる状態になり、会社に復職可能の診断書を送ったそうです。そして、復職についての相談をするため、会社の人事の責任者と面談をしたところ。

 

①フルタイム・フルパワーでなければ復職は認めない

「会社としては、6カ月休職になっている君の具合をとても心配している。そして、復帰してきたら、君の体調面について最大限配慮する用意がある」

 まあ、それは当たり前ですね。会社には社員の健康を管理する責任がありますから。

「でも、会社は慈善事業ではないので、病気明けだからといってパフォーマンスを落としてもらう余裕はない。だから、きちんとフルタイムで働けることが復職の条件になる。残業や休日出勤についても最大限配慮はするが、いざとなったらお願いするかもしれない。この条件できちんと働けるなら、復職を認めたい」

 すごいですね。最大限配慮するといっておいて、社員の病状について一切配慮しないと堂々と宣言しています。うつ病など、メンタルで休職になった社員の復帰については、リワークプログラムを組むなどして徐々に働く時間や負担を増やし、初場にならしていくのが常識だと思っていたんですが。せめて、フルタイムではあっても、残業や休日出勤のないように管理をしていくのが当然だと思うんですが。

 どうやら、この会社には世間の常識が通用しないようです。

 

②今度休職したら辞めてもらう

「会社は君がまた休職するということを望んでいない。そういう不測の事態にならないよう、最大限配慮していく」

 「最大限配慮」という言葉を随分軽々しく使っています。

「会社は慈善事業ではないので、休職を繰り返す人間を抱えておく余裕はない。君にとっても、再度の休職は望ましい事態ではないから、お互いの利害は一致すると思う。もし再度の休職という事態になった場合、休職は認めない。退職扱いになる。ついては、再度の休職になったら退職するという旨の念書を作ったので、サインをしてほしい。ここにサインをすることが復職を認める条件になる」

 これはひどいですね。聞いていて非常に腹が立ちました。もし再度メンタルを病んで休職になったら、それは会社がうつ病の履歴に配慮せず、追い込むように仕事をさせたということではないでしょうか。退職を前提とした念書を取るとはどういうことでしょうか。会社が社員を使い捨てにしても、社員の自己責任であり、社員が辞めればおしまいということでしょうか。会社が露骨な責任逃れをしているようにしか見えません。社員をものとしか考えていませんね。いくらブラック企業でも、ここまであからさまにやることはないと思います。腹立ちを通り越して呆れました。

 それに、会社側の立場に立って考えても、いきなり念書を差し出してサインを要求するのはまずいでしょう。脅迫・強要と受け取られても文句が言えないやり方です。この会社の人事担当は何を考えているんでしょうか。

 結局、知人はこの念書にはサインをしないで、再度相談し直すことにしたそうです。賢明な判断だと思います。

 

 このような内容を書くと、どこかの中小企業か、ブラック企業か、ワンマン企業か、と思うかもしれません。ところが、会社名は伏せますが、この会社は東証一部上場の某有名企業だそうです。上場企業でもこういう対応をするところがあるのかと、驚きました。コンプライアンスの意識が全くないんですね。

 知人は休職期間満了でその会社を退職し、別の会社に障碍者枠で就職しました。年収は少なくなったそうですが、障碍に理解のある環境のほうがいいと判断したそうです。