otomeguの定点観測所(再開)

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リオ五輪~マラソン・長距離弱小国・ニッポン~

 多忙のため、しばらく更新が滞ってしまいました。まだ当面バタバタした日が続くため、安定した更新ができませんが、飽かずお付き合いいただければ幸いです。

 既に皆さんの記憶の彼方の事象かもしれませんが、とりあえずリオ五輪の総括を今さらながらにしてみたいと思います。

 【男子マラソン大敗】

  申し訳ありませんが、怒りにまかせて書かせていただきます。

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 皆さんご存知の通り、リオ五輪の男子マラソンは「惨敗」と報道される結果に終わりました。まあ、入賞すら厳しいということは大会前から分かっていたことです。彼らを貶めるつもりはありませんが、今回、日本代表に選ばれた選手たちはそもそもこのスタートラインに立ったこと自体が快挙であるレベルの選手達です。調整失敗の北島はともかく、石川と佐々木は現状の力をしっかり出し切った結果です。日本代表(??)としてゴールを盛り上げてくれた猫ひろしともども、まずは彼らの健闘を讃え、精いっぱいの拍手を送らなければいけません。

 今回の不甲斐ない結果について断罪されるべきは、代表選考のテーブルにさえ上れなかったナショナルチーム(以下NT)の選手たち、選考レースにほとんど出走してこなかったかつての箱根駅伝のスターなる有象無象、NTを空中分解させて明確な強化方針を打ち出せなかった陸連上層部、そして何よりも駅伝というコップの中の争いにかまけて素材をつぶし続ける実業団と大学の指導者たちです。東京五輪に向けて、何一つ光明の持てない状態になってしまいました。

 

【弱きクニ・ニッポン】

 日本はもはやマラソン弱小国です。弱き国であれば、選手を隔離して集中強化するのはどこでもやっている当たり前のことです。せっかくNTという方針が打ち出されたのに、実業団がエゴを丸出しにしてぶっ潰した結果、迷走しただけに終わってしまったようです。

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 同じ陸上競技でも短距離や競歩がしっかり結果を残したのに比べて、国内の競技環境がはるかに整備されているはずの長距離・マラソンの惨憺たる体たらくには目を覆うばかりです。所属チームの枠を超えて協力し合い、結果を出した短距離・競歩陣に比べて、同じ陸上競技でもこの衰退ぶりは何なのでしょうか。

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 日本の駅伝環境をガラパゴスと称する向きもありますが、本物のガラパゴスの生物は進化し続けているのですから、ガラパゴスの生物たちに失礼でしょう。

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 今や日本の駅伝システムは競技力の向上に一切寄与しないタコツボと化してしまいました。何度でも言います。箱根駅伝ニューイヤー駅伝の結果と選手個々の競技力には何の関係もありません。そんな大会で頑張ったって駄目なんです。

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 かつて日本は夏マラソンに強かったはずですが、そんな牧歌的な希望はもはや通用しません。

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東京五輪には間に合わない】

 現役選手で児玉泰介の1986年当時の日本記録を超える選手さえいない記録水準で、どうやって世界と戦えというのでしょう。暑さ対策とか強い選手の育成とかコースを知るとか海外経験とか外国勢のペースの上げ下げとか、そんな些末なことはどうでもいいです。まずは、国内で切磋琢磨しあって早くマラソンの日本記録を更新し、4・5分台を目指していく競争環境の整備です。有力選手は駅伝を走らせず、国内の実業団から引きはがして全員オレゴンプロジェクト送りにするとか、そのくらいの劇薬を投下しないとどうしようもない気がします。

 せめて、国内の駅伝で外国選手の出走を制限している、頭の悪い規制は全面撤廃しましょう。アフリカ勢に身体能力が及ばないというのは単なる言い訳であることは、ゲーレン・ラップが見事に証明してくれました。日本人がアフリカ勢にかなわないのではありません。はじめから競う気さえないのですから、勝てるはずがないのです。

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 国内では最強クラスである村山や設楽がトラックで手も足も出なかったことが、国内の駅伝のレベルの低さを証明しています。戦えそうな選手がオレゴンプロジェクトの大迫しかいないというのは、なんと寂しい状況でしょう。村山はこれで昨年の北京世界陸上に続く惨敗となりました。この体たらくでいくら「世界と戦う」と吹いてみても、何のリアリティもありません。国内の実業団をやめて海外に打って出るとか、相当な賭けをしない限り、勝負のスタートラインにすら立てないでしょう。この先、どうするつもりなのやら。

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 昨年、10000mの日本記録が更新されたときには、波及効果を大いに期待しました。しかし、せっかく数字が動いたのに、リオ五輪に向けてマラソンにも長距離にもほとんぼ好影響がありませんでした。逆に、10000mで27分台前半のタイムを持つとは思えない村山の惨憺たる走りは、国内の競技会のゆるい設定を如実に示してしまいました。やはり、国内の記録会などという駅伝と並ぶぬるま湯の環境で出された記録など、ほとんど価値はないということですね。

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 現在の選手で何とかなりそうな素材は、残念ながら大迫1人です。ここから強化を始めてももはや東京五輪には間に合いません。トラックでの若手の発掘から始めつつ、2028年の五輪あたりでメダルが取れるよう、地道に頑張るしかないでしょう。