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otomeguの定点観測所(再開)

文芸評論・文化評論・思想・社会科・国語表現・性文化・スポーツ観戦・科学・飲み食い・与太話 【一部、性的に過激で頭のおかしな記事があります】

外来種コントロール事例?⇒オオモンシロチョウ

 先日、久しぶりに外来種に関するテキストを挙げましたが、それに絡んで、現在の日本で進行しているらしい外来種侵入に対する在来種の抵抗(?)、数のコントロール(?)の事例(??)を紹介してみたいと思います。

 【とりあえず外来種関連記事リンク】 

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外来種の駆除は不可能でありカネと時間の無駄である - otomeguの定点観測所(再開)

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【オオモンシロチョウとは】

 オオモンシロチョウについてご存知のない方も多いと思うので、この虫の紹介からいきます。

www.youtube.com

 オオモンシロチョウはモンシロチョウに近縁のシロチョウで、1990年代から北海道で観察されるようになり、20世紀から21世紀初頭にかけて北海道で分布を大きく拡大し、東北地方にも南下しました。そのため、外来種として非常に話題になったチョウです。モンシロチョウは1つずつ卵を産み付けますが、オオモンシロチョウはまとめて卵を産み付けるので、幼虫が大発生してかなりの食害が発生したようです。

 幼虫はモンシロチョウよりカラフルなのですぐに区別できるそうです。成虫はモンシロチョウより少し大きく、翅の先端が黒っぽいので区別できます。しかし、飛んでいる姿からはなかなか見分けがつかないそうです。

http://cs.kus.hokkyodai.ac.jp/tancyou/vol.38/oomonshiro.htm

 幼虫はモンシロチョウと同じくアブラナ科の植物を食草としますが、フウチョウソウ科、ノウゼンハレン科などのアブラナ目の植物でも大丈夫のようです。フウチョウソウ科やノウゼンハレン科はモンシロチョウも食草としますが。その他、アブラナ目のほとんどの草を食草とした記録があるようです。マメ科を食草にするという記事もありましたが、マメ科アブラナ目とかなり遠縁のはずなんだが、ほんとか?

アオムシ類 | 農業害虫や病害の防除・農薬情報|病害虫・雑草の情報基地|全国農村教育協会

 オオモンシロチョウは外来種として扱われていますが、人為的に持ち込まれたのではなく、自力で海を渡って日本に飛来したようです。人間が持ちこんだ外来種とは異なり、自然に生物の遷移が起こっているというだけのことです。そもそもモンシロチョウだって、もともと日本には存在せず、奈良時代あたりに大根などと一緒に入ってきた外来種だといわれています。新参者とはいえ、オオモンシロチョウを過度にたたくのはかわいそうな気もします。

オオモンシロチョウ - Wikipedia

日本に侵入したオオモンシロチョウ

【オオモンシロチョウ】分布図・同定方法 - NAVER まとめ

<蝶の写真館> オオモンシロチョウ(しろちょう科)

オオモンシロチョウのイモムシ ( ガーデニング ) - 散歩のついでにBlog - Yahoo!ブログ

蝶のエッセイ-第7話 オオモンシロチョウ

モンシロチョウ - Wikipedia

 

【オオモンシロチョウの大発生】

 ゼロ年代、オオモンシロチョウは侵略的外来種として北海道で猛威を振るいました。モンシロチョウはアブラナ科の作物に食害を与える害虫ですが、オオモンシロチョウもそれと同じ類の害虫です。しかも、前述の通り一か所に多くの卵を産みつけますので、幼虫が大発生して作物を丸裸にするという被害が相次いだそうです。繁殖力も旺盛だったようで、彼らは北海道でどんどん分布を拡大して、モンシロチョウを隅に追いやっていきました。

 さらに彼らは津軽海峡を渡って東北地方にも定着し、北日本全域を分布域とするかのような勢いで広がっていきました。新しい種類のため登録農薬もなく、食害について問題になるとともに、モンシロチョウをはじめとする在来(??)のチョウへの被害も懸念されました。

第12回 オオモンシロチョウという蝶に負けた人間 - ECO JAPAN〈エコジャパン〉 - nikkei BPnet 環境ポータル

http://onigumo.sapolog.com/e75423.html

低温研ニュース 2002年11月 No.14

アブラナ科野菜のオオモンシロチョウ

http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010022195

オオモンシロチョウ

CiNii Articles -  A Report about the Wildlife that it is in Danger of Extinction

 

【オオモンシロチョウの激減】

 ところが、10年代に入って状況が一変しました。オオモンシロチョウが急速に数を減らして分布域を狭めていき、絶滅したのではないかという情報まで飛び交う事態となりました。逆に、モンシロチョウはオオモンシロチョウから失地を奪い返し、分布域を回復しているようです。わずか10年余りでの盛衰には驚くばかりです。

 オオモンシロチョウが数を減らした原因については、冷涼な気候に適応した種であるため日本の高温多湿の気候が合わなかった、農薬への感受性が高くて農薬にやられた、在来の寄生バチなどにやられて数を減らした、ウイルスなど何らかの伝染病が発生した、など様々な推測がWEB上に飛び交っていますが、決定的な説はないようです。

 以下、素人の勝手な推論です。個人的には、在来の寄生バチなどがオオモンシロチョウをターゲットとするように変化=進化したため、防御手段を持たないオオモンシロチョウが急減した、と考えるのが最も妥当である気がします。ここでオオモンシロチョウが変化=進化して寄生バチに対抗する術を編み出し、生き残ることができれば、日本で起きた興味深い対抗進化の事例になるでしょう。逆に、もし彼らが日本から姿を消してしまえば、日本に適応できなかった外来種の一例になります。生物種の遷移について観察する場合、やはり数十年単位での長い目で見ることが必要なのでしょう。

北海道からオオモンシロチョウが消える日。 - 北海道昆虫同好会ブログ

2014〜2016年、札幌市で庭のヤマワサビにオオモンシロチョウ継続発生 - 北海道昆虫同好会ブログ

オオモンシロチョウの謎※ | 報文予備軍 | 日本蝶類研究会

オオモンシロチョウの幼虫。 ( 生物学 ) - 一期一会 - Yahoo!ブログ

寄生蜂に脳まで乗っ取られる蝶の幼虫たち - 北海道昆虫同好会ブログ

札幌でオオモンシロチョウ(外来種)を探してみる : NPO法人 日本チョウ類保全協会

http://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bitstream/2433/136574/1/ynogk01662.pdf 

 

 明日はSFセミナーに参加するため、御茶ノ水に行く予定です。関係の皆様、よろしくお願いいたします。