サウジアラビア戦が終わり、アジアのワールドカップ出場国が第４代表まで決定しました。
【サウジ戦雑感】
オーストラリア戦の勝利、およびワールドカップ出場決定の余韻をひきずる中、妙な多幸感に満ちた中で迎えた予選の最終戦。こういう浮ついたムードの時が一番危ないというのは過去の経験で分かりきっています。それに、そもそも消化試合ですから、結果も内容も参考外。ハリルが選手をうまくテストできればそれで済む試合です。ふんわりとしたお豆腐モチベ＆メンタルの我らが日本代表に対し、鬼気迫る勢いで臨んできたサウジ代表。まあ、そりゃ結果は見えていますよね。
スコアは接戦でしたし、内容的にも決して一方的とは言えない試合でした。でも、いわゆる「気持ちで負けてる」試合であり、負けるべくして負けた試合のように思えました。サウジ戦の敗戦でまた妙な危機感をあおるマスコミやＷＥＢの論調があるようですが、消化試合の結果に一喜一憂してどうするのでしょうか。別にこの試合の結果が日本代表のＷ杯本番の結果に直結するわけでもないし、アジアからどの国が出場しようが日本に影響があるわけでもないし。もっと達観して見ていればいいのです。
【最終予選総括？？】
ロシアW杯アジア最終予選 グループB：🇯🇵 🇸🇦 🇦🇺 🇦🇪 🇮🇶 🇹🇭 W杯出場：🇯🇵 🇸🇦 プ… ｜キングさんのTwitterで話題の画像（画像元）
では、最終予選が終わりましたので、極私的な感想をまとめてみたいと思います。採点するなら、日本代表は100点です。ずいぶん甘い採点だと思われるかもしれませんが、Ｗ杯予選は結果が全てです。本選に出場すれば100点、予選敗退なら０点、この２つしかありません。本選出場を決めたのですから100点。ただそれだけのことです。
最後は割合すんなり決まりましたね。サウジがＵＡＥに負けたことで日本が楽になったためと、オーストラリアの出来が良くなかったため、あっけなく埼玉で決まってしまいました。最終戦のサウジ戦までもつれ込んで、もっと血みどろの戦いになるんじゃないかと思っていたんですが、血で血を洗う戦いになる前にあっさり決まってしまいました。泥沼にはまってもがく代表の姿や慌てふためくハリルの姿を観てみたかった気もしますが、悪趣味なのでやめておきましょう。
それでも、初戦のＵＡＥ戦の敗退をはじめ、苦しい局面はいくつもありました。現在の日本はアジア最強チームではなく、あくまでアジアのトップグループの一角にあるチームであり、他国との力の差はほとんどありません。それに、Ｗ杯予選を無風で勝ち抜けるのは一握りの強国だけであり、どんな国でも苦しい戦いを強いられます。ハリルがメンバー選考を誤ったとか、ハリルの采配に難があるとか、本田や香川の海外組が良くないとか、Ｊリーグの選手をもっと使わなければいけないとか、周囲の雑音はどうでもいいです。現在の日本の実力であれば、どんな監督がどんな選手を選んでどんな采配をしようと、Ｗ杯予選は苦しい戦いになるのは必至です。本選に出場できたんだから、別にいいじゃないですか。ぐちゃぐちゃ文句を言う必要はどこにもありません。
アジアレベルで苦戦していてはＷ杯本番でとても戦えない、という論調もありますが、予選の戦いと本番の戦いは全く別物。直結なんぞしないことは過去の経験から分かっているはずです。予選の戦いぶりに難癖をつけるより、これからハリルが本番に向けてどんなチームを作るか、楽しみに眺めていたほうがよほど建設的です。へたな多幸感に染まることなかれ、極度の悲観にも染まることなかれ。過去５回のＷ杯で悲喜こもごも経験しているわけですから、じっくり落ち着いてハリルのお手並み拝見といけばいいのです。
【で、Ｗ杯本番に向けて】
来年のロシアに向けて、ハリルは本番から逆算してクレバーに動き回ると思うので、メンバー選考やチームの作戦や戦術については特に心配していません。問題は、協会が本番に向けてきちんと強化試合を組めるのか、そして本番までのピーキングを今回こそ失敗せずにプロデュースできるのか、という点につきます。リーグがプロ化して四半世紀経つのに、そしてＷ杯に５回も出てベスト16にも２回進出しているのに、チーム作りの初歩の初歩で躓くという低次元なことのないようにしてほしいものです。いまだアマチュア色の抜けない協会のお歴々がどこまできちんと代表をバックアップできるのか。期待しないでいたほうが精神衛生のためでしょう。
