『Flowers~Le volume sur hiver~(冬篇)』短評
こちらも毎度遅ればせながらのレビューになりますね。ギャルゲーのテキストとしてカテゴライズしますが、いつもと違って18禁の要素も小児性愛的要素もない(??)のでご安心ください。
【穢れなく麗しき百合の箱庭の完成形】
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【盛大にネタバレ】FLOWERS 冬篇をクリアしたから感想と残った謎の考察とか:人生には失敗する権利がある らしい - ブロマガ
FLOWERS-Le volume sur hiver-(冬篇) レビュー/感想 - Togetterまとめ
http://速報最新ニュース.com/ouen-sakuhin/41175/
今年プレイしたギャルゲーの中では間違いなく最高作品。というよりギャルゲーの歴史に残る名作になったといっていいでしょう。華やかで儚くもろい百合の花が咲き誇る箱庭世界。美しく危く穢れなく切なく麗しくアンニュイでリリカルで適度なコミカルさとウィットをたたえた温室の花たちを、汚すこともなく傷つけることもなく罪に浸すこともなく深い悲しみに満たすこともなく、少女たちの恋愛と友情と葛藤と成長をしっかりと描き切り、見事なハッピーエンドにまとめてみせました。物語を把握するためにはシリーズ作品を全て俯瞰せねばならず、さらにはゲームのみならずドラマCDまで含めて一つのシリーズ構成になっているため、シリーズが完結するまで価値判断できないと考えてレビューを控えてきましたが、この完成度なら文句なしです。
本格読者としてはミステリパートにはいろいろ文句をつけたいところですし、哲学/思想の徒としてはもっと宗教的・人種的テーマの深みに切れ込んでほしかったところもありますが、箱庭の花たちを味わう宴に些末で些細な文句をつけるのは無粋というものでしょう。少女たちの濃厚で豊饒な薫りに埋もれて麻薬的で甘美な夢を見ることこそ、この作品の愉楽です。酩酊度においては、あの『エコール』を彷彿とさせる麻薬的な快感でした。いや、穢れた男どもが外部から侵入することを最後まで拒んだという点においては、『Flowers』の方が少女たちの純度は高いというべきでしょう(少年の滲入なら極私的には歓迎いたしますが)。
これで1年を巡り、物語は完結となりましたが、是非続編やファンディスクなどを期待したいところです。未回収の要素はまだ物語中にばらまかれていますし、三角関係の行方も気になりますし。このまま終息させてしまうには極めて惜しい甘美な世界だと思うのですが、いかがなものでしょうか。
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