otomeguの定点観測所(再開)

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W杯2018⇒大本命苦難の一日

 昨夜のW杯は予想外の結果が相次ぎましたね。観戦していてアップセットに興奮するとともに、優勝候補の不甲斐ない姿に焦燥感も覚えました。

 コスタリカVSセルビア⇒やはりセットプレーが決め手】

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 セットプレーからの得点が多いというのはどのトーナメントでも言われることのような気がしますが、今回のW杯もそうですね。快進撃を見せた前回同様守備ブロックを固めたコスタリカと、個の力で突破を図るセルビア、という構図になりました。どちらかといえばセルビアが攻めていた時間が多かったですが、印象としてはほぼ互角の試合。コスタリカも十分に決定機は作っていました。勝負の分かれ目はコラロフがFKを確実に決めたワンプレー、それだけだったと思います。

 セルビアは取らなくてはいけない勝ち点3を挙げました。ブラジルとスイスがドローに終わり、グループEの行方が混沌としてきただけに、次戦のスイス戦次第ではセルビアが台風の目になる可能性もある気がします。

 

【ドイツVSメキシコ⇒歴史的勝利はやはり堅守とスカウティングから】

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 ノックアウトラウンドのような高いテンションがスタジアム全体に満ちた好ゲーム。メキシコがドイツから歴史的勝利を挙げましたが、これを大番狂わせというのはメキシコに失礼でしょう。実力的には強国を屠ってもおかしくない歴史と実績を持ったチームです。

 メキシコの良さが最後まで崩れませんでした。終始組織的な守備でドイツの前線・中盤の攻撃を封じ込み、ドイツの攻撃を単調なクロスに押しとどめ、最後まで守備ブロックを維持して見せました。そして、鋭いカウンターからドイツのゴールを何度も脅かし、試合の主導権を握っていたのはメキシコでした。スコアこそ1-0でしたが、追加点が入っていてもおかしくない試合だったと思います。

 一方、ドイツのこれだけ不甲斐ない姿は久しぶりに見た気がします。メキシコの守備を崩すことができず単調な攻撃に終始し、選手交代では先手を握られて局面にアクセントをつけられず、最後は若い選手たちがいら立ちを表にしてメキシコに巧みにあしらわれる有様でした。前線でのミスも多かったですし、ドイツらしからぬ手痛い敗戦といえるでしょう。2010年イタリア、2014年スペインと、ここ2大会は前回王者がグループリーグで姿を消しています。その轍を踏まなければいいのですが・・・。

 

【ブラジルVSスイス⇒終始圧倒しながらもまたしても見せた勝負弱さ】

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 華麗な個人技を終始披露し続け、印象としては圧倒しながらも、決定機を逃し続けて終わってみれば勝てない。2015・2016のコパ・アメリカにおけるブラジルはそんな印象で、以前も往時の勢いがないというテキストを書いていますが、まさかW杯においてもそんな印象が続くとは・・・。ブラジルは2016コパ・アメリカでまさかのグループリーグ敗退を喫しましたが、あの光景が頭をよぎりました。

【コパ・アメリカ】ブラジル敗退の衝撃 ドイツは順調 モンテとエルフェンもちょこっと - otomeguの定点観測所(再開)

 ブラジル代表の不甲斐なさといえば2014W杯のミネイロンの惨劇がよく取り上げられますが、極私的には2015・2016のコパ・アメリカでの不振の方が深刻に見えました。そこから立て直して今回ロシアに乗り込んできたと思っていたのですが。でも、スイス戦を見る限り、本番における勝負弱さ、決定機を外しつづける姿からは、かつての輝きが感じられませんでした。ブラジルの次戦はコスタリカです。実力的にはもちろんブラジル優位ですが、果たしてどうなりますか。

 対して、スイスにとっては貴重な勝ち点1となりました。終始押しまくられたのは仕方ないことですし、効果的な攻撃も多かったとはいえませんが、形がどんなものであれ、ブラジルから勝ち点を得たのですから最上のスタートです。次のセルビア戦は面白くなりそうですね。