otomeguの定点観測所(再開)

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2018極私的回顧《スポーツ》⑤ モンテディオ山形

 極私的回顧のスポーツ第5弾は、わが偏愛するJのチーム、モンテディオ山形です。今年もまた定位置のJ2中位でシーズンを終えました。

otomegu06.hateblo.jp

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【これぞ平均・これぞ中位】

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 2016・2017年と異なり、今年は表立った運営上の混乱はありませんでした。しかし、J1復帰の目標とは程遠く、終わってみればPO圏内すら届かない、いつもの結果にとどまってしまいました。

14勝14分14敗 勝点56 49得点51失点 12位

 勝ち・負け・引き分けが全く同数というのは、なかなか達成できない快挙です。この数字のマジックを喜んではいけないのですが、これぞ中位・これぞ平均って感じの数字ですね。それでも9月まではPO争いに絡んでいたんですが、10月以降で大きく失速し、終わってみれば二けた順位。好不調の波が激しくメンタルがもろいという、ここ数年のモンテの姿を今年も繰り返すことになりました。

 昨年、終盤に433の形を完成させ、攻撃的布陣でモンテは開幕に臨みました。しかし、開幕の5試合で11失点と守備が崩壊。

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 やむなく、木山監督はワントップの形にして守備ブロックの再構築を図りました。

 これが幸いしたのか、GWを越えたあたりから攻撃にも守備にも粘りが出始め、1点差の試合をしぶとくものにしながらじわじわ順位が上昇。10戦負けなしで7位まで浮上という、いい形で前半戦を折り返しました。

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 しかし、これが続かないのがここ数年のモンテです。しかし、7月に栃木・新潟と連敗したところで調子を崩し、ここからじわじわと順位を下げていきました。

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 安定していた守備に粘りがなくなり、試合終了間際の失点を重ねるなどここぞというところで点をとられるようになってしまいました。一応守備ブロックの形は構築していましたが、ただ相手の攻撃をはじき返すのみで、反撃につなげる有効な手段がないので、攻め続けられて最終的には崩れてしまうということを繰り返しました。

 攻撃にも今一つ迫力がなく、先制点を奪った後で落ち着いてしまい、2点目・3点目をとりにいこうとしないので、結局相手に主導権を握られてしまうという試合を繰り返しました。というか、明確な攻撃の形を最後まで見出すことができなかった印象でした。守備重視の戦術に切り替えたんですから、前線に1・2枚FWを残してのシンプルなカウンター戦術にするとか、方法はいくらもあったと思うのですが。

 乱暴にまとめてしまうと、何となくみんなで守って・何となくみんなで攻撃するという、あいまいな形だったため、セットプレーではない流れの中での得点がかなり少なかったという印象がありました。パスで相手を崩すこともせず、だらだらとボール回しをしているだけなので、迫力に欠けていました。

 その反省があったのか、天皇杯ではFWを前線に残してカウンター狙いで戦うという、シンプルで効果的な戦い方に切り替わっていました。シーズン中にこれをやっていたら・・・と思うと、何ともやりきれない気持ちになります。

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 加えて、今年目立ったのは、ここ数年あらわになっているメンタルのもろさでしょう。今に始まった課題ではありませんが、リスクを恐れて追加点を狙いにいかない、相手との距離をとって遠巻きにパスを回す、守備ブロックにラインの押上げが甘い・・・など、素人目にも消極的に見えるプレーが散見されました。かつては強いメンタルで粘りの戦いをするチームだったはずなのですが・・・。

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 もろもろのマイナス要因を挙げてきましたが、それでも木内監督を責める気にはあまりなれません。監督続投も妥当な判断だと思います。2017年にせっかく固めたチームからレギュラーだった選手が次々と流出し、補強は今一つ適切さを欠き、今年もやはり怪我人続出。木内さんの選手のやりくりは大変だったと思います。それでもなお、あと15は勝ち点を積み上げてPO争いができそうなくらいの戦力はいたはずです。まあ、勝ち点64だとPOラインには届かないんですが。

 フロントのマネジメントも昨年同様、ぱっとしないまま終わりました。現在の県知事の介入は本当にろくな結果を招きません。でも、新社長は県の天下りではなく、スポーツビジネスの世界を歩んできた人物です。ここは心機一転、フロントがばりばり機能してくれると思いたいです。そして、来年こそはJ1昇格を争うことのできる戦力を揃えてくれることを期待しましょう。

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