otomeguの定点観測所(再開)

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2018極私的回顧その16の2 思想・評論(トランプ氏)

 当ブログでは2018年がまだまだ終わっておりません。がんばって先に進まないと。今回はトランプ氏についての雑感をまとめてみたいと思います。

 

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【Duce! Duce! Duce!】

 先日、米朝首脳会談がめでたく物別れに終わりました。お互いにまともにコミュニケーションできる人間ではないので、まあこんなものでしょう。この2人が死ねば世界は少し良くなると思うんですが。

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 2018年もビフ・ハワード・タネン、もといトランプはいろいろなネタを提供してくれました。どうもありがとうございました。

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 反トランプ派はいろいろな理由をつけてトランプの退場を目論んでおりますが、まあ難しいでしょうねえ。未来の歴史においては、トランプはアメリカの景気後退と財政悪化について懲罰を受けるべき人物であり、アメリカ史上最も知能の低い大統領であった子ブッシュ以来の無責任・放漫な財政運営をした大統領として、その栄誉を長く歴史に刻む人物になるでしょう。

おバカの代名詞、ブッシュ大統領。だが歴史を振り返ってみると評価はわかれる!?◆日本人はアメリカ大統領を勘違いしている⑦ | 書籍編集部コラム

ジョージ・W・ブッシュ - Wikipedia

迷言だらけ?ブッシュ大統領のブッシュ語録 トランプ大統領批判も - 知識連鎖

https://ja.uncyclopedia.info/wiki/ジョージ・W・ブッシュ

 しかし、現世利益的な悪運が強いのがトランプです。反トランプ派は大統領選までにアメリカの景気が崩れ落ちることを願っているようですが、そううまくいくかどうか。

 確かにトランプ減税の効果は今年の後半には急激に薄れるでしょう。トランプがさらなる景気刺激策を打とうとしても民主党が賛成するとは思えません。それに中国との貿易戦争の悪影響、原油上昇の影響、株式市況の悪化など、トランプの足を引っ張りそうな要素はいっぱいあります。

 トランプのやっていることは中長期的にはアメリカという国を沈没させることでしょう。財源もないのに減税を強行したため、財政赤字が史上最高に拡大しました。次の景気後退が起きた時、どこから対策のための財源をひねり出してくるのでしょう。減税の恩恵を受けているのはトランプも属する超富裕層で、上位1%の階層が国の富の4割を有するという異常な状況です。これがさらに拡大しつつあります。格差の拡大に伴うひずみは消費の低迷や富裕層への反感という形であふれ出すでしょう。

 しかし現状、アメリカの失業率は非常に低い水準にあり、賃金上昇も好調です。インフレが起こる気配もありません。トランプは景気の波にうまく乗っていますが、それが2020年までに終わるという保証はどこにもありません。格差の拡大がもたらす怒りについては、むしろトランプが都合よく使う材料となるでしょう。結局はトランプがうまく逃げ切るような気がしてなりません。

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 2020年の大統領選では、サンダースを筆頭に似非ポピュリストが台頭している民主党候補とトランプとの間で、非難の応酬といういつもの泥仕合が展開されることになるでしょう。民主党社会主義者として攻撃すればいいわけですから、トランプにとって、左派の似非ポピュリストの台頭はむしろ願ってもない展開でしょう。財源そっちのけで非現実的なことばかり喚き散らすという点では、トランプの右派ポピュリズムもサンダースの左派ポピュリズムも似たようなものです。アメリカの大統領選は毎回醜悪な光景ですが、2020年の大統領選は史上最も醜いものになるでしょう。所得再分配セーフティネットの強化、職業訓練、教育の充実など、きちんと全階級に目配りをした政策論争が起こるといいのですが、まあ無理でしょうね。

世界を席巻するポピュリスト旋風は、どこまで広がるか? (2/3) | プレジデントオンライン

バーニー・サンダース再び参上!〜今度こそ「民主社会主義」の実現なるか? 2020大統領選 - wezzy|ウェジー

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2020大統領選への宣戦布告か! トランプ大統領が民主党の社会主義化をけん制 - FNN.jpプライムオンライン

【一般教書】トランプ氏「社会主義」批判 - 産経ニュース

 

 トランプのような極端なポピュリズム劇場型政治は異端のものだったはずです。しかし、フェイクニュースオルタナ何とかが飛び交う中で今やトランプ劇場が日常となり、似非ポピュリストたちの異常な言動や行動に対する感覚がマヒしています。2019年、トランプの独善的な手法がさらにどこまでエスカレートするのか楽しみですね。短期的な成果だと見せかけることのできる事柄をかざすことが増え、攻撃性が高まっていくことでしょう。

 法を軽視し嘘をつき真実を捻じ曲げるトランプの手法は、いうまでもなくファシズムです。独裁者は捻じ曲げた真実を武器にしますが、アメリカの健全なメディアや思想が無力化され、冷笑主義が跋扈しています。人権や国際協調を無視する流れが世界に広まり、ファシストたちが影響力を高めています。

 

  

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https://www.bbc.com/news/world-us-canada-35682844

 2019年も現代のファシストは人々の負の感情をあおりながら真実から目をそらし、争いや不和の種を世界中にまき散らすことでしょう。法の支配や民主主義は崩れ落ち、市民社会は暴走することになるでしょう。この愉快な光景を今年も高みの見物といこうではありませんか。

Viva il Duce Trump!  

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