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なでしこジャパン終戦⇒さあ健全なるブーイングを!

 既報の通り、なでしこジャパンはオランダに敗れてベスト16で敗退しました。

 

 

敗退なでしこ、涙を美談で終わらせるな 永里亜紗乃の目「本当にW杯に全て懸けたか」 | THE ANSWER スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト

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今までのやり方は通用しない。VAR、パススピードの加速化。なでしこが直面した世界の潮流 | Goal.com

なでしこの「自立」は道半ば 五輪へ宿題残したW杯 (写真=共同) :日本経済新聞

 うーん・・・。オランダ戦は最後のPKをうんぬんする声もあるようですし、勝てた試合だとは思います。でも、内容的には完全に力負け。現状の力の差を見せられた試合だったような気がします。戦術・技術的な分析は詳しい皆さんにお任せするとして、やはり感じたのはなでしこのアイデンティティが最後まで発揮できなかったということ。もちろんパスサッカーではないですよ。「粘りの守備」「泥臭く食らいつく」「勝利に対するリアリスト」これらの精神性を、今回のチームからは最後まで感じることができませんでした。優勝を狙って乗り込んだチームがベスト16に終わったんですから、まずは選手たちに健全なブーイングを浴びせましょう。何をやっていたんだ、お前ら!

 なでしこの華やかな時代はこれで完全に終焉し、チームのアイデンティティは崩壊しました。来年の東京五輪に向けて、立て直しは容易ではないでしょう。ブラジル、カナダ、オーストラリア、中国といった女子サッカーの先駆となった国が敗退し、ヨーロッパがベスト8のうち7つを占め、女子サッカーの世界地図は大きく塗り替えられました。女子サッカーの高レベル地域だったアジアの地位は後退し、日本は列強としての地位とリスペクトを失いました。日本のサッカー史における大きな分岐点となるはずなんですが、慢心に浸る協会はもちろん変わる気配を見せていません。

https://www.sponichi.co.jp/soccer/news/2019/06/18/kiji/20190617s00002014324000c.html

なでしこ、高倉監督の続投示唆:朝日新聞デジタル

 今回のチームならノルマはベスト8だと思うんですが・・・。扱いやすい人材で回していく内輪の人事は男女ともに変わらないということですね。あとは選手たちの頑張りとシステムがたまたまはまることに期待するしかなさそうです。うーむ。

 いや、楽しみにしていたんですよ。コパ・アメリカ女子ワールドカップ、勝ち進んでくれればどちらも強国との対戦ができたはずだし。正直、なでしこはもっとましなチームになると思っていたし。不十分な準備で漫然と大会に突っ込み、ふんわりと試合に臨み、敗退したのに甘々の評価で、マスコミはろくすっぽ叩くこともしない。
 結局、見せられたのは男女ともに「自分たちのスモールサッカー」。ショートパスをつないでくる日本サッカーへの対策というのは、割と分かりやすいものだと思います。男子は対アジアにおいて、なでしこは対戦してくる全てのチームにおいて、日本対策が徹底されています。日本はどうせ4-4-2で同じようなシステムをとってくるので、FWと両SHにマークを付け、前線と中盤にプレスをかけてボールを後ろで回すようにさせつつ、主にボランチから出てくるパスをカットして、両サイドから裏を突く。今回、なでしこは各国に同じ対策をされて苦戦していましたし、男子はアジアカップカタールにこれを徹底されて封じられました。・・・あくまで素人のサッカー親父の観点ですが。これに対して特に手を打とうとせず戦術を選手に丸投げにする監督と、必死にプレーする選手という、男女ともに滑稽な構図。「ジャパンズウェイ」なる空想の限界が改めて見えた6月となりました。

 そして、協会もマスコミもマネジメントの失敗に触れようとしない。田嶋が会長を続けて組織に妄想と慢心を振りまき続ける限り、男女とも代表は世界から取り残されてゆるやかに衰退していくだけなんでしょうね。近々、男子はアジアで勝てなくなるかもしれません。アジアカップも勝てなかったわけなんですが。

 明るいニュースは、なでしこリーグがようやくプロ化に向けて動き出したことくらいですか。8年遅いとはいえ。これで国内の基盤整備が進むといいんですが、女子代表が衰退傾向にあり、お客が呼べない中でどうやってプロリーグ構想を進めていくのか。ただの打ち上げ花火に終わらないことを切に祈ります。

なでしこリーグの活性化を!プロリーグ発足案始動へ - サッカー : 日刊スポーツ