otomeguの定点観測所(再開)

文芸評論・表象文化論・現代思想・クィア文化・社会科・国語表現・科学コミュニケーション・初等数理・スポーツ観戦・お酒・料理【性的に過激な記事あり】

2020東京マラソン⇒敢えて言いますがとりたてて騒ぐような記録ではない

 男子マラソン日本新記録ということでWEB上が大騒ぎになっていますが、敢えて言います。とりたてて騒ぐような記録ではない。大迫が1年前にやらなきゃいけなかったことをやった、それだけです。

 【これが大迫の最低水準】

www.youtube.com

 

  大迫が男子マラソンにおける自身の日本記録を更新。日本中が盛り上がっているようですが、敢えて言います。とりたてて騒ぐような記録ではない。2019年、二度の凡走をしてミソをつけましたが、本来、大迫は日本男子マラソンにおけるただ1人の一線級の選手です。5分台の記録は大迫がコンスタントにたたき出すべきタイムであり、今回に近いパフォーマンスを1年前の東京でやらなければならなかったはずです。エースとしてやるべき最低限の仕事をした、それくらいの評価が妥当である選手です。へたに感動だなんだと騒ぎ立てるべきではない。

 久しぶりに大迫らしいレースでした。日本記録を逆算して冷静にタイムを刻み、優勝争いを捨ててでも日本記録に的を絞り、優勝争いではなかったとはいえ自分から主導権を握って揺さぶりをかけたレース。どうして去年の東京やMGCでこのパフォーマンスができなかったんだ。このレベルを最低限、かつ毎回保つのが大迫に求められるべき走りの水準です。やっとスタートラインに戻ってきたということでしょうね。

 来週のびわ湖が残っているとはいえ、恐らくこれで大迫が東京五輪の代表になることは間違いないでしょう。MGCの狂騒に振り回されましたが、ようやくエースが立ち位置に戻ってきました。東京五輪はまず入賞という戦いになるでしょうが、わずかでもメダルの可能性を目指して頑張ってほしいところです。そして、その先もあるはずです。日本人初の2時間4分台、そしてトラックでやり残している仕事、10000m27分10秒や1ケタを出すこと。大迫しかできない仕事があるはずです。もちろん本人は満足していないと思うので、更なる高みを目指して頑張ってほしいと思います。

 男子のレース全体としては、中継ではハイペースだなんだと騒いでいましたが、6大レースとしては普通のペースの普通のマラソンでした。日本人規準で騒ぎ立て、中継を捻じ曲げるのはいい加減やめた方がいいでしょう。また、6分台はじめサブテンの選手が量産されて瀬古がばか騒ぎしていましたが、MGCの自画自賛もいい加減にしてほしい。コンディションとシューズの後押しで好タイムが続出しただけの話です。大迫に匹敵する選手を国内の実業団から、まずはトラックのスピードアップからやらねばならないはずです。しかし、これでMGCは成功だったという自画自賛の総括をするんでしょうねえ。東京五輪後の荒れ果てた男子長距離・マラソンの姿が今から心配です。

 BIG3とマスコミが騒ぎ立てた設楽と井上は2ケタ着順に沈みました。これで設楽は2戦連続、井上は3戦連続の2ケタ着順です。力のない選手をやいのやいのとはやし立てる無用な盛り上げをマスコミはやめた方がいいですね。プロスポーツ選手は結果が全て。余計な贅肉は不要です。3強とか4強とかいわれていましたが、設楽・井上・服部はそもそもエース級と呼べるような実績はなかったわけで、マスコミが作り上げた虚像に過ぎません。エース・大迫がただ一人の一線級で、あとは団子状態というのが本来の姿でした。昨年、大迫が凡走して一時馬群に沈んでいましたが、結局団子が続いているだけのことです。

 

【女子は大会新記録】

  好コンディションに恵まれ、女子は見事な大会新記録でした。ここに日本の女子トップ選手がいないことが、どれほど歪んだことなのか、陸上関係者は猛省したほうがいいでしょう。女子マラソンの強化のために最も価値あるレースをスルーする。こんないびつなことを繰り返す限り、女子マラソンの復活などありえません。本来、東京に男女のトップ選手を集結させるべきなのです。

 

 今回、改めて感じました。MGCなど不要です。五輪や世界陸上の代表選考は男女ともに東京マラソンの一発勝負でいいです。福岡や大阪など他のローカルマラソンは東京に比べて明らかに格下です。今回、駅伝屋・旭化成の選手は見せ場すら作れませんでした。何をやっていたんだ、お前ら。やはり駅伝の結果と選手の競技力は無関係なのです。男女とも、東京マラソンで真剣勝負をすることで日本のマラソンをいかに強化するかを真剣に考えるべきです。