otomeguの定点観測所(再開)

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東京五輪マラソン日本代表・・・と新谷仁美の問題提起

 毎度毎度の遅ればせですが、先日日曜にびわ湖毎日マラソン名古屋ウィメンズマラソンが終わり、東京五輪のマラソン日本代表が決定しました。

【2020びわ湖毎日マラソン

びわ湖毎日マラソン システム不具合で号砲10分遅れに― スポニチ Sponichi Annex スポーツ

 スタートでアクシデントがあり、雨の降る良くない条件でしたが、戦前の予想通り凡レースとなりました。ペースメーカーの設定も大迫の日本記録を意識したものではなかったですし、出場した日本選手の力を考えればこんなものだと思います。びわ湖はあくまでローカルマラソンであり、選考会として東京マラソンと同格に扱うことに無理があります。そして、日本だけがやっているエリートマラソンなるものの役割はとっくの昔に終わっています。それを再確認しただけのレースでした。

 

【2020名古屋ウィメンズマラソン

 http://womens-marathon.nagoya/__assets/_womens/pdf/result/2020_result.pdf

一山麻緒が優勝、五輪代表3人目に 名古屋ウィメンズマラソン:スポーツ:中日新聞(CHUNICHI Web)

一山麻緒 - Wikipedia

 悪条件の中、一山麻緒が国内日本最高、日本歴代4位の好タイムで優勝し、東京五輪代表3つ目の椅子に滑り込みました。MGCのときは積極的にペースメイクをするも、後半失速して6位に終わりましたが、その失敗を修正した素晴らしい走りでしたね。しかし、これだけの走りができるのですから、好条件だった東京マラソンで世界のトップと競わせておけば、国内初のサブ20も十分可能だったと思います。若い選手の快走に心を打たれつつも、改めて国内事情に忖度する日本の歪んだマラソンの構造を思い知らされる一戦でした。

 

【さて、代表選手は・・・】

 これで男女ともに東京五輪の3名のマラソン代表が決まりました。

 男子はMGC1位の中村匠吾と2位の服部勇馬、そしてMGC3位で東京で日本記録を更新した大迫傑。女子はMGC1位の前田穂南と2位の鈴木亜由子、そして一山麻緒が代表に内定しました。記録から言えば鈴木亜由子松田瑞生を入れ替えたほうがいいですし、MGC以前の代表選考だったらそうなっているでしょう。しかし、あくまでルールにのっとった選考なので、フェアに行われたということで一定の評価はできる選考結果となりました。

 MGCの成果がやたら喧伝されていますが、当ブログではMGCを批判してきましたし、今もその意見は変わっていないので、ここで特に書くことはないです。

東京オリンピック マラソン代表 男女計6人出そろう | NHKニュース

 これでメダルメダルと騒ぎだすのが日本のマスコミの悪弊ですが、記録と実績で考えれば、入賞ラインで勝負できるのは男子では大迫のみでしょう。女子では前田と一山ですが、二人ともWMMのレベルになるとまだ結果を出せていないので、特に一山は未知数です。まずは入賞が目標、と現実的な評価と期待をしておくのが妥当でしょう。

 

【さあ、トラックシーズン】 

【東京オリンピックへの道】参加資格有資格者一覧:日本陸上競技連盟公式サイト

 さて、ここからはトラックです。女子については5000mで田中希実・廣中璃梨佳・新谷仁美、10000mで新谷が東京五輪参加標準記録を突破しており、代表派遣のめどが立っていますが、男子は5000m・10000mともにゼロです。男子の国内実業団の総力を結集して、参加標準記録突破者を作ることが今春最大の課題であるはずです。マラソンを目指すからなどという言い訳は聞き飽きました。「世界と戦う」「トラックで東京五輪を目指す」という男子選手の軽々しいセリフも聞き飽きました。記録という結果を出してください。

 女子のトラックのエースは五輪に向けて着々と戦っています。そして、最近とある問題提起をしています。私はこの問題について発言できるだけの見識がないので、ツイートの引用のみでコメントは避けますが、彼女を心から応援したいと思います。