otomeguの定点観測所(再開)

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2020東京都知事選⇒分かりやすいほどの無風選挙

 昨日、都知事選が行われました。日本のリベラルのダメさ加減が分かりやすく表れた選挙でしたね。

  最初に申し上げておきますが、私は自分の政治信条はリベラルだと思っています。支持政党はありませんが立憲民主や社民や共産が信条に近い政党ですし、私は都民ではありませんがもし都民だったら宇都宮候補に入れていたでしょう。それでもあえて言いたい。典型的なリベラルが展開するだめ選挙であったと。

小池百合子当然の再選】

 既報の通りですが、2016年よりも低投票率だった選挙は、現職の小池百合子の圧勝に終わりました。こういうのを無風選挙と言います。

www.asahi.com

(上記リンクよりコピペ)

更新時間:2020年07月06日 01時20分開票率:97.05 %

 

小池 百合子 現 3,560,919 59.72%

宇都宮 健児 新 828,422 13.89%

山本 太郎 新 647,161 10.85%

小野 泰輔 新 596,501 10.00%

桜井 誠 新 169,712 2.85%

立花 孝志 新 41,129 0.69% 

 あとはめんどくさいので割愛します。小池百合子のトリプルスコア以上の圧勝。前回以上に大差がついた結果でしたねえ。まあそりゃ、自民党公明党が選挙を捨て、野党も泡沫候補しか立てていなかったわけですから、普通に考えればこうなります。立憲民主も共産も本気で勝ちに入っていたとは思えないので、政治的ダメージは少ないでしょう。宇都宮さんが誠実な人物だけに、捨て駒にされたのが良かったのか、気の毒なのか。

 小池陣営としては前回以上に楽な選挙でしたね。現職にまともな対抗馬が1人もいないんですから。テレビ演説会のないことや街宣をしないことがツイッター上で批判されていましたが、そりゃやらないでしょう。やらなくても勝てるから、無用な失点を避けた方が賢明です。テレビも当然受けないでしょう。一部のリベラル層以外は白けた目でみつめている出来レースに電波を割く必要はありません。

 敢えて言いますが、立憲民主も共産も本気で勝ちにいったとは思えません。長年都政の監視を行っている宇都宮健児が出馬表明をしたので、その推薦をして格好をつけただけです。体よく利用された宇都宮陣営は両党に怒りをぶつけたほうがいい。善戦を自画自賛するリベラルのよくあるまとめは不要です。

 

 

 

otomegu06.hateblo.jp

 前回の都知事選のまとめでも書いたことですが、小池百合子は非常に分かりやすい「勝てる候補」です。「知名度十分」「大臣の実績あり」「本人のやる気十分」「しゃべりがうまい」「女性都知事という話題性」。ここに「現職の都知事」「コロナ対応でのアピール」という付帯要素があるわけで、「都民ファースト」「希望の党」という失策はあったにせよ、誰がどう見ても盤石の構えです。

otomegu06.hateblo.jp

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 これに対抗するとしたら、蓮舫が打って出てオール野党で支援するか、枝野・志位・福島あたりが打って出てやはりオール野党で支援するか・・・。うーん、それでも足りない気がするな。野党が一致団結してキャンペーンを行ってやっと善戦という程度でしょう。

 そもそも、国政における安倍政権への対抗を考えれば、政治信条のことは棚に上げても小池都知事都民ファーストというのは安倍政権へのカウンターとしてうまく利用すべきコマのはずです。逆に小池百合子に体よく反対勢力の存在として戯れに利用されている。何だかなあ。

 いずれにせよ、「正しいことを言っているが団結力・実行力・営業力に欠ける」という日本のリベラルの伝統的な弱点が改めて明らかになりました。今後の宿題・反省材料をもらったということで、今回は良しとしておきましょう。

宇都宮健児氏インタビュー「都知事選とリベラリズムについて 」 | 政治チャンネル

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「安倍政権の倒し方を少し大人になって考えよう」政治学者が自戒を込めて語る、リベラルが敗け続ける理由 (1/3) 

なぜリベラルは敗け続けるのか

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