otomeguの定点観測所(再開)

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森岡賢追悼・・・

 まじかあー! このニュースを聞いて、本当にびっくりしました。今年に入って最大の驚きかもしれません。

 

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 ショックです。すごいショックです。昨年、体調を崩してライブがキャンセルになったのは聞いていましたが、復帰を楽しみにしていただけに非常に残念です。今年もライブツアーとアルバムのリリースが予定されていたのに。SOFT BALLETのデビュー以降、30年弱に亘って聴き続けてきたアーティストの逝去で、大きな空洞に放り込まれたような気分です。謹んでご冥福をお祈りします。

 

SOFT BALLETについて】

SOFT BALLET - Wikipedia

 私は専ら洋楽を聴いていて、好きなジャンルはアコースティック・ロック、プログレ、エレクトロ・ポップといったあたりです。邦楽は体系的に聴いておらず、気に入ったものをつまみ食いのように摂取しているだけなんですが、SOFT BALLETは中学・高校時代にはまった数少ない日本のバンドの1つでした。

 WIkipediaに手堅くまとめられているので、詳しくはそちらを参照してほしいのですが、藤井麻輝の繰り出すインダストリアル・ロックとしての機械性・無機性と、森岡賢の繰り出すアシッド・ハウス的な有機性・幻想性が、時に無秩序に、時に無軌道に、時に混交されて、シンセサイザーの混沌としたタペストリーに乗って流れてくるSOFT BALLETの暴力的なサウンドは、他に比類するもののない、麻薬的な魅力にあふれたものでした。あえて現在の枠組みでカテゴライズすればフューチャーポップになると思いますが、ボーカルの遠藤遼一を含めた3人の個性が異次元で交錯した彼らのサウンドは、まさしく唯一無二のものだったと思います。

 テクノ/エレクトロサウンドの無機性・幻想性に加えて、遠藤遼一の独特なボーカルと打ち込みに合わせたドラマーのプレイが、彼らの音世界に深い襞を作っていました。サポートドラマーで最も印象深いのは、GRASS VALLEY解散直後に加わっていた上領亘です。私はGRASS VALLEYも好きなんですが、打ち込みに同調して千手観音を繰りだす上領ドラムは、GRASS VALLEYよりもむしろSOFT BALLETの世界観にフィットしていたような気がします。

 SOFT BALLETの魅力はライブパフォーマンスにもありました。森岡賢は「クネクネ踊るキーボーディスト」と言われましたが、最初期はちゃんとキーボードを弾いていたようです。しかし、普通に演奏してもうけないので、藤井ともどもライブでは楽器を演奏せずにすべて打ち込みにしたそうです。時にTバックを履くなどして妖しくセクシー(??)でなまめかしい(??)ダンスを見せた森岡と、直立不動で不気味な眼光を放つ藤井の姿。好対照の2人がステージを鮮やかかつ不気味に演出していました。2000年前後からライブで藤井はよくガスマスクをかぶっていましたが、なんであんな演出になったんですかね?

 怪しげなPVについても触れておかねばなりませんね。SOFT BALLETの世界観は、SF者的にはサイバーパンクがベースであるといいたいところなんですが、そこにドラッグカルチャーとネット魔術とレトロフューチャーダダイズム未来派などなどをぐちゃぐちゃに織り込んだような、奇怪な世界観でファンを大いに楽しませてくれました。詳しくはこちらをご参照ください。

matome.naver.jp

rollingstonejapan.com

 

 2002年、SOFT BALLETサマソニで再結成してくれた時は本当にうれしかったです。1990年代当時とはかなり風貌が変わっていて、サウンドもギターメインの曲があるなどテクノ/エレクトロ一辺倒のものではなくなっていて、某シングルの森岡のセミヌードに悶絶して、NHKの某番組に出演したときの藤井の指1本演奏に思わず吹き出して、といろいろありましたが、再結成後は1990年代のサウンドとはまた違った、落ち着いて成熟した魅力を見せてくれていました。2003年にまた活動休止してしまったので、ひそかに更なる再結成を期待していて、森岡と藤井のminus(-)結成の際にはこれがSOFT BALLETにまで発展してくれることを期待していたのですが、3人揃った姿をステージで見ることはもうできなくなってしまいました。残念です。本当に残念です。

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SOFT BALLET楽曲 マイベスト5】

 では、SOFT BALLETの楽曲のマイベスト5を並べてみたいと思います。

1、WHITE SHAMAN 

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2、BODY TO BODY

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3、MERCHENDIVER 

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4、NO PLEASURE

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5、WITH YOU 

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【ジェントルマン テイク ポラロイド】

 SOFT BALLET活動休止後の森岡のソロ活動では、エレクトロサウンドをベースとしながらも、アンビエント、ハウス、ジャズなど様々なサウンドをミックスさせた多彩な音楽性が魅力となっていました。そして、ソロ活動の傍ら、森岡が結成したユニットが2つありました。まずは2008年結成のジェントルマン テイク ポラロイドです。

 森岡がGRASS VALLEYのボーカルだった出口雅之と結成したユニットですが、大好きなバンド2つの合作ということで、大いに楽しませていただきました。エレクトロなシンセをベースにしながらも、ポップな曲調に出口の落ち着いたボーカルが乗っていて、SOFT BALLETGRASS VALLEY時代とは違った、非常に成熟したサウンドが耳に心地よかったです。

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【minus(-)】

 上でも触れていますが、minus(-)はSOFT BALLETの森岡と藤井が2014年に結成したユニットです。ジェントルマン テイク ポラロイドよりもむき出しのアシッド的なシンセを勢いよく聴き手にぶつける感じで、かつてのSOFT BALLETのサウンドに回帰したような印象がありました。昨年の12月にミニアルバムが出て、更なる展開を楽しみにしていたんですが、残念ながらもう新作を聴くことはできなくなってしまいました。

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 まだまだこれから新しい音世界を体験させてくれると思っていたので、本当に残念です。改めて森岡さんのご冥福をお祈りします。

【6/9追記】

 minus(-)のアルバム制作は継続され、ツアーは最終日のみ行われるとのことです。ライブを観に行くのは無理そうなので、アルバムの発売を待ちたいと思います。

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