エイシンヒカリ~もうすぐロイヤルアスコット~
エイシンヒカリといえば、先日のイスパーン賞で見せた10馬身差の圧勝劇がまだ印象に残っています。
このレースでは昨年のフランスダービー馬ニューベイが本命とされ、直前のオッズでエイシンヒカリは4番人気まで落ちていました。昨年の香港カップを制しているとはいえ、日本馬はスピード優先の日本の馬場に適応したサラブレッドです。しかも、前日までの雨で馬場状態はcollant(Holding)、日本でいえば不良馬場というパワーを要する状態であったため、フランスの競馬ファンが地元馬が有利であると判断したのは無理もないことだったでしょう。
しかし、蓋を開けてみれば、端を奪えなかったものの2番手を追走したエイシンヒカリが、最後の直線の坂の手前で先頭に立つと、10馬身差の圧勝劇。強化されたフィジカルでロンシャンの不良馬場を難なく攻略し、世界トップクラスの実力を鮮烈に証明しました。
日本馬の欧州でのG1制覇は、2000年のアグネスワールドによるジュライカップ勝利以来、実に16年ぶりのことでした。
さらに中長距離路線での勝利となると、エルコンドルパサー以来、17年ぶりの快挙でした。そんなに勝っていなかったんですね。というか、凱旋門賞ばかり遠征を続けているからなかなか勝てないという印象もありますが。
ともあれ、イスパーン賞での圧勝劇が評価され、エイシンヒカリがレーティングで世界一になったというニュースも飛び込んできました。ジャスタウェイ以来の快挙ですから、次走に向けて期待がますます高まってきますね。
(16位までのランキング)
http://www.ifhaonline.org/resources/WTRRankings/LWBRR.asp?batch=31
ちなみに、日本馬で上記リンクにランクインしているのは4位モーリス、11位ドゥラメンテ&マカヒキ、16位サトノダイヤモンドとなっています。
次走は15日のロイヤルアスコットミーティングのプリンスオブウェールズステークスですね。ロイヤルアスコットではまだ日本馬は未勝利なので、是非とも勝ってほしいところです。アスコットの2000mは高低差が20mあり、パワーとスタミナを要するコースですが、エイシンヒカリはイスパーン賞で力のいる不良馬場で圧勝しているので、恐らく心配ないと思います。
今年のプリンスオブウェールズステークスは、現在の状況だと最大9頭立てのようです。
うーん、ニューベイが回避ですか。しかも、昨年のBCターフ馬・ファウンドや重賞3勝馬・タイムテストも直前で回避する可能性があるとのこと。となると、確実に出てきそうな馬たちでG1での実績があるのは、一昨年のフランスダービー馬で昨年のプリンスオブウェールズ2着馬ザグレイギャッツビー、昨年の愛オークスとオペラ賞を制したコヴァートラブ、今年のジェベルハッタで初G1を獲得したトライスター、昨年の香港ヴァーズ馬・ハイランドリール、といったあたりです。このままいくと、なんだか手薄なメンバーになるかもしれませんね。まあ、エイシンヒカリに有利となる分にはよしとしましょう。
プリンスオブウェールズS 2016 出走馬展望 【おうまのアイコン wire-to-wire】
エイシンヒカリは現在でこそ世界に知られる馬となりましたが、若駒の頃はやんちゃ坊主でしたよねー。
そして、武豊の逃げ馬となると、どうしてもサイレンススズカが連想されてしまいます。
まあ、過去の馬のことは関係なく、エイシンヒカリにはロイヤルアスコットで歴史を作ってほしいと思います。できればそのまま欧州にとどまって、英国インターナショナルステークス、愛国チャンピオンステークス、英国チャンピオンステークスなんていう欧州の中距離路線で暴れてほしいところです。
しかし、陣営は次走の後は帰国させる意向だそうです。となると、夏に休養して、秋は秋天から香港カップというローテですかね。確かに、国内G1でエイシンヒカリが勝つところを見たいという願望もありますが。
いずれにせよ、まずは15日です。期待しながらアスコットのレースを待ちましょう。