EURO2016⇒グループリーグ終了 コパ・アメリカ⇒チリは強かった
EUROはグループリーグがすべて終了、決勝トーナメントの組み合わせがすべて決まりました。また、コパ・アメリカはチリが決勝に勝ち上がり、決勝はアルゼンチン対チリの組み合わせになりました。
【アイルランドVSイタリア】
すでにグループリーグ1位通過が決まっているので控え選手の調整に徹したイタリアと、必勝を期したアイルランド、そのモチベーションの差がそのまま出た試合になりました。結果、アイルランドがイタリアに対して歴史的勝利をあげましたが、イタリアが安全運転だったことを考えると、参考外の試合かもしれません。
とはいえ、アイルランドにとっては記念すべき1日となったはずです。このEUROにおけるブリテン諸島の幸福な日々はまだしばらく続きます。
【ベルギーVSスウェーデン】
ともに勝利を求めた両国の対戦は、序盤から球際で激しくやり合うタフな試合となりました。一進一退の好ゲームではありましたが、問題はスウェーデンの攻撃の精度の低さ。イブラヒモヴィッチ中心に何度もチャンスを作りましたが、あれだけ決定機を外してしまえば勝てません。結局、試合終了間際のラジャ・ナインゴランのゴールで、ベルギーが1対0で勝利。スウェーデンとイブラヒモヴィッチは何もなすことなく大会を去ることになりました。
ベルギーは「死の山」を逃れ、決勝トーナメントの組み合わせには非常に恵まれましたね。タレント軍団はまだまだ機能しているとはいえませんが、ビッグタイトルに向けて有利な流れは整いました。
3対3のスコアだけなら壮絶な打ち合いにも見えますが、実際には調子の上がらないポルトガルの不甲斐なさが随所に見られた試合でした。序盤に決定機を何度も作りながら外しつづけて決定力不足を示したうえ、さらにはカウンターで守備を破られてハンガリー相手に無用な失点を繰り返し、一進一退の攻防を演出する始末。クリロナがスーパースターの意地を見せて何とか引き分けに持ち込みましたが、攻守ともにいいところはほとんど見られずじまいでした。アイスランドがオーストリアを破るというサプライズがあったため、試合後は一時、選手も観客席も蒼白になっていましたが、得失点差で辛うじて決勝トーナメント進出を果たしました。おろおろした様はとても強国の姿とはいえませんでした。
とはいえ、決勝トーナメントに生き残り、かつ「死の山」を逃れたのは、ポルトガルにツキがある証拠かもしれません。ラウンド16のクロアチアは難敵ですが、ここを超えてチームが復調してくれば、光が見えてくるかもしれません。
【アイスランドVSオーストリア】
北アイルランドと並び、アイスランドの展開するオールドスクールなサッカーには古き良き郷愁があります。しかし、スタイルなど関係なく、愚直なこだわりと闘志、献身、チームワークが一体になったとき、小国でも素晴らしい結果が出せるのです。自分たちのスタイルを徹底的に貫き、アイスランドはダークホースともいわれたオーストリアを撃破して決勝トーナメント進出を決めました。アイスランド史上に残る輝かしい勝利を心から祝福し、快哉を叫ぶとともに、彼らの献身的なサッカーにこそ日本が学ぶべきことがあるのだと痛感しました。
【死のトーナメント】(画像はサッカーマガジンゾーンウェブより)
既報の通り、EUROの決勝トーナメントは「死の山」に強国が5つ集う組み合わせとなりました。でも、EUROのトーナメントはいつもこんな感じですから、あまり驚きはないです。ここから真のEURO開幕になるので楽しみです。
勝ち抜きが16か国と、グループリーグ突破の条件が緩くなったことに対しては賛否あるかもしれませんが、アイスランドや北アイルランドなど、小国のドラマチックな姿が観られているので、私はプラスに働いていると思います。ウェールズ対北アイルランドというイギリス同士の対戦も実現しました。ブリテン諸島にとっては実り多きEUROになっていますね。
【チリVSコロンビア】
序盤のチリの波状攻撃がすべてでした。コロンビアの守備がもたついている間に、前半7分と11分でチリが鮮やかに2点を先制。前半20分過ぎくらいからコロンビアはようやくリズムが調いましたが、余裕をもって試合を進めるチリが守備を固めてハメスを孤立させたため、なかなか得点機がつくれませんでした。長い試合中断がありましたが、後半は両チームとも集中力を切らさない好ゲームだったと思います。しかし、コロンビアの攻撃が最後まで機能せず、チリが老獪さを見せて逃げ切りました。
これで決勝は昨年と同じ顔合わせになりました。チリは昨年よりもテンポよく勝ち上がってきて状態はかなりよさそうですが、とにかくアルゼンチンが異次元の強さを見せているだけに、チリの勢いがどこまで通用するのか。現時点ではアルゼンチンのほうが数段勝っているような気がします。