もうすぐリオ五輪~ドーピング問題はどこへ行く?~
まもなくリオ五輪が開幕しますが、極私的に今回は全くわくわく感がありません。せめてドーピング問題でIOCが毅然たる態度を示してくれれば、盛り上がりようもあったと思うのですが。
【最も安易な選択】
【リオ五輪】<前代未聞>“ドーピング五輪”が幕を開ける! IOC“丸投げ”の舞台裏・・・©2ch.net
【ドーピング問題】ロシア「五輪除外見送り」 IOC“丸投げ”の舞台裏
皆さんご存知の通り、IOCはロシアのドーピングに対して毅然とした態度を貫くことをせず、判断を各競技団体に丸投げするという、最も安易な選択に堕しました。プーチンの高笑いが聞こえるようですねえ。IOCは所詮NGOですから、本気になった大国の政治力に逆らうのは難しいとはいえ、せめて今回はドン・キホーテになってでも反ドーピングの旗印を下ろすべきではありませんでした。参加除外になるロシア選手がそれでもどかどか出ているのがせめてもの救いといえば救いです。しかし、今回のIOCの決定がスポーツ史上の汚点となることは間違いないでしょう。
しかし、勇気ある内部告発者であるステパノワは五輪出場が認められず、あえなく除外処分となりました。せめて彼女を中立選手で出場させるとか、それくらいの温情と取引の意思は示すべきだったでしょう。ドーピングを告発しても国を追われ、身の安全が保障されず、競技者としての出場機会さえ守られないというのであれば、だれが情報をリークするというのでしょうか。これでドーピングをスポーツ界から駆逐する機会は半永久的に失われたといえるでしょう。
【プレイヤーズ・ファースト??】
一応IOCを擁護するなら、彼らが表面上でもプレイヤーズ・ファーストの原則を貫いたことです。疑わしきは罰せず、できる限り競技者の機会を保証する。選手の立場に立った運営を行ったことで、IOCなりの筋を通したという見方もできます。一部、日本でもロシア選手を気遣う声もありますので、競技者や競技経験者には外野とは別の見方があるという表現もできるかもしれません。
いや、今回の件についてはただの弱腰と断じる以外の見方はできないですよねえ。
【それでも五輪を観るべきか?】
一観戦者としては、すっかり盛り下がった気分で五輪本番を迎えることになりました。ブラジルの政情不安もささやかれる中、日本選手が無事に競技に集中できるのか、非常に心配です。
本来ならこういうもやもやを吹き飛ばしてくれるのが、アスリートたちの真摯なプレーの姿であるはずですが、ドーピング問題でそこにもすっかり色眼鏡がかかってしまいました。サッカーとか陸上とか、せめて自分の好きな競技だけでも楽しみたいものですが。どうしますかねえ。