久しぶりに飲み食いのテキストにいってみたいと思います。つい最近ですが、知人から勧められてオーストラリアワインを物色しはじめたので、それについて雑駁ですが書いてみます。
【実はおいしいワイン大国】
オーストラリアワインとその産地のすべて「オーストラリアワイン事典」
オーストラリアワイン(まるわかりワイン講座) | アサヒワインコム | アサヒビール
オーストラリアワインの主要なぶどう品種 | オーストラリアワインについて | Farmstone ファームストン
オーストラリアワインの主要生産地の概要 | ワイン・ノーブル
なんぼでも貼れますが、これくらいにしておきましょう。ニューワールドのワインにも関心があったので、チリやらアルゼンチンやら南米のワインを調べたり、南アフリカのワインに少し手を出したりはしていたんですが、恥ずかしながらオセアニアはすっかり見落としていました。ヨーロッパワインより安い価格でうまいワインが飲めるし、個性的で面白いワイナリーがいろいろあるよということで、知人から勧められ、ようやくオーストラリアとニュージーランドに目がいった次第です。酒飲みの習性として飲んだことのないお酒を物色するのはやぶさかではないんですが、調べてみると面白そうなワイナリーが出るわ出るわ。オーストラリア全体で2000を越えるワイナリーがあるそうなので、とても全てを追い切ることは不可能なんですが、とりあえず目のついたワイナリーの手ごろな価格のワインを片っ端から頼んで、現在、家で毎日のように空けております。
確かにヨーロッパワインより安いですし、チリや南アフリカに比べてもワイナリーの個性の幅が広く、いろいろ選択肢は豊富そうです。実際、ヨーロッパワインより安い価格で良質だと思ったワインのボトルをいくつも空けました。半面、まあこれはどこの産地も同じといえば同じなんですが、外れと感じてしまうワイナリーも10のうち5か6はある印象です。所詮、お酒なんてその人の好みで飲むものですから、人によってうまいまずいの基準は千差万別ですが。チリや南アフリカに比べると当たりはずれの振れ幅が大きい印象ですね。でも、それだけに探索のし甲斐があるというところでしょうか。
まだオーストラリアワインの表面の皮一枚をかすった程度ですし、空けていないボトルもごろごろしているので、全体の印象を決めてしまってはいけませんね。ワイン大国として相当に懐が深そうなので、まだまだ当分は楽しめそうな感じです。
【ポール・コンティ】
で、今のところ飲んでみた中で、私が一番気に入っているワイナリーが「ポール・コンティ」というワイナリーです。
TANAKA-YA WineList【Ar-084】 西オーストラリア、コースタルプレイン産ワイン
ポール・コンティ :: 真っ白わんこのバブー〜気ままなフォト日記〜|yaplog!(ヤプログ!)byGMO
1 ポールコンティ シラーズ 飲み頃ボルドー・ブルゴーニュの通販なら幸田ワインハウス
とりあえず、上記リンクのファームストンから紹介を引用します。
1927年シシリアからの移民であるカルメロ・コンティはパースから北に27キロの所に土地を購入、1948年初めて国内向け葡萄の栽培を始めました。14歳の息子ポールは父と共にヴィンヤードで働き始め“コースタルプレインの土地の特徴を生かした果実味豊かでエレガントなワインを造る”と1968年初めてポール・コンティワインを商品化しました。
彼のワインメーカーとしての手腕は高く評価され、ロマネというニックネームがつきました。当初ポールは5ヘクタールに主にグルナッシュ、マスカットを作付け、テーブルワインを生産していましたが、その後メディチリッジ、カラブーダに土地を購入し、手摘みの葡萄でシラーズ、シャルドネ、ピノ・ノワール等のプレミアムワインを造るようになりました。
1991年ポールの息子であるジェイソンが参加し、彼は父から教わったテクニックを用いたワイン造りと、彼が学んだ葡萄栽培とワイン造りの新しいテクノロジーを融合させ“ヴィンヤードとワインとの関連性に特に注意を払う事が様々な食事との相性をもたらし、揺らぐ事のない品質を持つワインのバランス、ストラクチャー、フィネスに大きな影響を与える”をモットーに高品質のワインを生産しています。
オーストラリアのワイン一大生産地といえば南オーストラリアのバロッサ・ヴァレーです。バロッサのワイナリーについてはまだ踏査中なので、もっとおいしいワイナリーが出てくる可能性もありますし、ぜひそう願いたいものですが、ここのワインは間違いなく上質だと思います。西オーストラリアのパースの近くにあるワイナリーで、地中海性気候がブドウの生産に向いているのでしょう。海外線から6キロのところにあり、ブドウが海風の影響を適度に受けているそうです。日本国内でも都農など海風をうまく使っているワイナリーがありますが、盆地や山裾とはまた違った利点があるみたいですね。
このワイナリーで気に入ったやつを2つほど挙げておきます。
まずは赤。グルナッシュといえば世界でも最も多く栽培されているブドウ品種といわれています。赤ワインにもよく使われていますが、酸味が強いくせに渋みの品があまりよくないうえ、スパイシーといわれる香りにも当たりはずれがあるので、正直、あまり好きな品種ではないです。また、グルナッシュといえばブレンドワインであり、赤ワインのよきわき役ともいわれています。しかし、ブレンドの配合や組み合わせの問題なのか、グルナッシュとの相性の問題なのか、その他の問題があるのか、グルナッシュを混ぜたワインでおいしいものになかなか出会えず、安ワイン品種というイメージがぬぐえませんでした。
でも、これはかなりおいしかったです。シラーズとの配合のバランスがいいのか、グルナッシュ独特のクセは残っていますがうまくまろみがついていて、スパイシーというかスモーキーながらも滑らかな舌触り。渋みとアクがいい感じに昇華されたなかなか上質のワインです。
ただし、そうはいっても赤ワインとしての個性というかアクが強いので、合わせる料理をかなり選ぶと思います。濃厚なたれ・ソースを絡めたクセのある肉や内臓肉の料理、またはクセの強いチーズあたりがお勧めでしょう。クセにはクセを絡めるというのは鉄板の組み合わせですね。
続いて白。シャルドネの中でもかなり果実味が強く、かつ辛口の部類です。仕込んでから日の浅いものはフルーティーなだけですが、熟成されたものにはオークっぽい奥行きのある風味が加わって、のど越しや舌触りもまろやかになるので、しばらく寝かせてから味わうのをお勧めします。
キレ・重みともに白ワインの中でもなかなかヘビーなやつなので、クリーム系の料理によく合います。ただ、白身魚と合わせたらワインの風味に魚が負けてしまったので、鶏肉や豚肉などでうまく釣り合いを取るほうがいいでしょう。ポール・コンティのワインはおいしいんですけど、合わせる料理を選んでしまうのが欠点なんですよねー。