otomeguの定点観測所(再開)

文芸評論・表象文化論・現代思想・クィア文化・社会科・国語表現・科学コミュニケーション・初等数理・スポーツ観戦・お酒・料理【性的に過激な記事あり】

2017全日本大学駅伝

 多忙のため、しばらく更新の間が空いてしまいました。これから例年通りだんだんと忙しくなってくるので、更新の頻度がさらに不規則になると思われますが、この場末ブログに飽かずお付き合いいただければ幸いです。

 とりあえず、スポーツ系のテキストを吐き出してお茶を濁すことにします。

 【ミスの数が明暗を分けた】

 いつもながら遅ればせの反応ですが、既報の通り、先日の全日本大学駅伝神奈川大学の20年ぶりの優勝で幕を閉じました。

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 出雲・全日本ともに出場を逃した昨年よりは戦力が整っているとはいえ、神奈川大は戦力的に4・5番手のチームだと見ていたので、この優勝には驚きました。ピーキングを伊勢路に合わせた調整の勝利と、全区間をノーミスで走った選手たちの堅実さ。他校がミスで次々と崩れていく凡戦の中、凡事を尽くした神大の見事な逆転勝ちでした。

 戦力的には東海・青山学院の2強であり、出雲の勢いを考えると東海が優勢だろうと思っていたんですが、すっかり予想が外れてしまいました。

 東海大も青山学院も、1区で出遅れて想定以上のタイム差をつけられ、レースの主導権を握れなかったことが全てですね。青山学院は4年生が想定通りの走りができず、結局優勝争いに加わることができずに終わりました。

 東海大は6区でトップに立ったものの、8区までに十分なタイム差を神大につけることができず、鈴木健吾に逆転を許しました。8区・東海大・川端の58分59秒のタイムも決して悪いものではありません。しかし、鈴木が8区を57分24秒で突っ走りましたから、どうしようもありませんでした。今年の日本人選手は低レベルで、8区を57分台で走れる選手は鈴木健吾なので、今回の敗戦はやむなしというところでしょう。

「3強」は青学大、神奈川大、東海大だが……。今季の箱根駅伝は、どの大学も面白い! - 陸上 - Number Web - ナンバー

全日本を勝った伏兵・神奈川大は、箱根駅伝でも青学、東海を崩せるか|陸上|集英社のスポーツ総合雑誌 スポルティーバ 公式サイト web Sportiva

【全日本大学駅伝】青山学院大、連覇逃した誤算と不安材料 箱根駅伝は「3強」か 勢力図の変化も - スポーツナビ

 神大の全日本優勝に伴い、箱根に向けて、東海・青山の2強から世間の下馬評は3強になってきた模様です。しかし、戦力的に見れば(怪我人が戻ってくるという前提ですが)駒澤・東洋・中央学院にも神奈川に遜色のないメンバーが揃っています。箱根駅伝は距離が延びて区間が増えますから、各大学の総合力が問われるとともに、波瀾要素も増えます。東海・青山が軸になる展開は変わらないものの、展開次第では駒澤・東洋・中央学院あたりにも優勝のチャンスがあるでしょう。観る側にとっては面白い戦国駅伝になりそうです。

 

 最後にいつもの愚痴をこぼして終わりにしましょう。

 今回の8区の逆転劇によって、神大鈴木健吾が学生ナンバーワンランナーというふれこみが広まりました。箱根駅伝でも1時間7分17秒という好タイムで区間賞を獲得しており、日本学生ハーフマラソンも制していますので、駅伝やロードの長距離では学生日本人ナンバーワンといっていいでしょう。しかし、駅伝の結果は選手の競技力とは何の関係もありませんし、ハーフマラソン1時間1分台の記録がフルマラソンに結びつくわけでもないので、まだ目立った実績を残した選手ではありません。5000m・13分57秒88、10000m・28分30秒16というごく普通の選手が学生ナンバーワンの座についてしまい、10000m・27分台の現役日本人ランナーがいないという、学生陸上界の状況にもっと寒心を抱くべきです。今年の箱根駅伝はスター不在で面白くなさそうですね。

【12/12追記】

 すみません。その後、10000m・27分台が出ました。箱根はこのランナーに注目ですね。熱烈なラブライバーでもあります。

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塩尻和也 - Wikipedia

男子 10000m タイムレース6組