otomeguの定点観測所(再開)

文芸評論・表象文化論・現代思想・クィア文化・社会科・国語表現・科学コミュニケーション・初等数理・スポーツ観戦・お酒・料理【性的に過激な記事あり】

サッカー4月まとめ⇒代表・なでしこ すったもんだの男子と根性見せた女子

 4月後半が多忙だったため、すっかり更新の間が空いてしまいました。いろいろ書きたいこともあるし、世間ではハリル会見やら南北会談やらえらいことが起こっておりますし。とりあえずGWに入るので、このあたりでまとめてテキスト化できればと思っております。まずはスポーツ系をまとめて片付けてしまいましょう。

 相変わらず更新が不定期な場末ブログですが、飽かずお付き合いいただければ幸いです。

 【史上最も盛り下がるW杯へ・・・】

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ハリル記者会見に新事実は何も出ず……。日本サッカーの未来が見える試合とは。 - サッカー日本代表 - Number Web - ナンバー

ハリルが去り、われわれに残されたもの(宇都宮徹壱) - ロシアワールドカップ特集 - スポーツナビ

ハリルホジッチ「反論会見」を見て抑えきれない違和感の正体(戸塚 啓) | 現代ビジネス | 講談社(1/2)

前園真聖氏 ハリル氏解任で協会に理解 会見は就職のための「アピール」 - グノシー

「15<2という不等式が成立してしまう日本という国の不幸」ハリルホジッチ前監督会見

華やかな敗北を見たがる人々:日経ビジネスオンライン

田嶋会長は不快「選手が反乱したような言い方失礼」 - 日本代表 : 日刊スポーツ

 例によってなんぼでも貼れますが、これくらいで。まあ、サッカーに関しては私より分析力の高い方々がたっぷりと発信してくださっているので、そっちを見ていれば趨勢は分かりますよね。

 ハリルの会見に対して、別に特別な感情はありません。新事実は出ませんでしたし、次のステップに向けてのハリル自身の整理およびアピールの会見に過ぎないわけですし、ここで何が話されたところで今後の日本代表チームに影響があるわけでもないですし。今後は弁護士を介して法的な落としどころを探ることになるようなので、ようやく解任騒ぎが収まってくれるのでしょうか。早いところハリルにまつわる報道が見られなくなってほしいものです。W杯に向けてもっとポジティブな話題を流してほしい。

 改めてですが、極私的には、ハリル解任に感情的には賛成できる部分の方が多いです。W杯前の親善試合をテストに使っていたことは承知していますが、それで残り3週間で戦術を現在の代表に落とし込んだところで、本番でうまく仕上がった可能性は低いと思っています。せいぜいがグッドルーザーとしてロシアを去ることになったくらいでしょう。各所で語られている結果論ですが、解任のタイミングはいくつもあったわけですから。

 でも、これも各所で語られていることですが、さすがにこのタイミングでの解任はあり得ません。しかも、次の代表の体制をなんら整備しないまま、近年際立った実績のない日本人を監督に据えて、目先を変えればいいと日本人コーチでスタッフを固める。素人以下の発想です。W杯敗戦のスケープゴートと協会上層部の保身のためにとられた措置としか思えません。これならハリルと心中したほうがはるかにましだし、本番での勝率も上がります。これも散々コメントされていることですが。

 一番問題なのは、W杯本番に向けて最後の追い込みをしなきゃいけない時期に、いまだチームの形も見えずにすったもんだやっている協会の愚かな采配です。どうせ田嶋は責任をとる気なんかさらさらないと思いますから、この騒動は来る日本サッカー暗黒時代再来の幕開けというわけでしょう。

 勝負はふたを開けてみなければ分かりませんから、奇跡の決勝トーナメント進出という可能性もゼロではありませんが、普通に考えれば緒戦のコロンビアにぼこぼこにされて失速、3戦全敗ですよねえ。なぜ勝利の可能性を探る運営をせず私欲を前面に出すのか。倒産寸前のワンマン社長の会社みたいですね。いまだ院政を行っていると見られる老害も健在ですし。W杯後は日本人監督を継続する気満々のようですから、代表監督の椅子を仲間内で順繰りに回していくことにしたようです。

 日本代表はアジアではイラン、オーストラリア、韓国に次ぐ4・5番手のチームです。その現実を直視せずにコップの中の寸劇に明け暮れ、選手の声を恣意的に利用し、日本人らしいサッカーという大戦末期の帝国陸軍のような妄想にしがみつき、海外に日本サッカーのガバナンス不全をアピールしまくり・・・。アジアでさえ日本サッカーの地位が近年どんどん下がっているのに、自分たちでさらに価値を貶めてどうしようというんですかね。まあ、欧米のサッカー報道をチラ見している限り、極東の島国のオナニーなどほとんど気に留められていない気がしますが。

 一番の問題は、コアもライトも含めて、サポーターの熱気と関心が下がっていくことでしょう。Jリーグ創設とドーハの悲劇以降、私もずっとサッカー代表を追い続けてきましたが、ここまでどす黒い気分でW杯を迎えるの初めてです。まさか代表チームにエールや叱咤を送る気にならない日がやってくるとは・・・。

 ロシアW杯は被虐的な気分で観戦することになりそうです。どうしたもんだろうなー。

 

【なでしこで口直し】

  だんだん書いていて嫌な気分になってきたので、もうやめます。明るいニュースにいきましょう。毎度毎度の遅ればせですが、なでしこジャパン、アジア杯連覇、おめでとうございます!

澤穂希 - Wikipedia

 澤引退の後、「澤ロス」に陥ったなでしこは、長らくチームとしての形と結束を見出せずにいた気がします。リオ五輪出場を逃し、高倉監督のもとでもなかなかチームがまとまらず。澤に匹敵する選手などそう簡単に現れないことは重々承知しているつもりですが、精神的支柱を失ったチームの迷走としても随分長い時間がかかった気がします。

 今回、1つ結果を出したことで、ようやくなでしこのチームとしての形が見えてきましたかね。「スペシャル・ワン」を中心とした結束ではなく、「普通の11人+α」による団結の形。スタッフやサポーターも含めた全員野球。強かったころのなでしこの片鱗が戻ってきました。

 何よりうれしかったのは、彼女たちが代表チームのDNAをきちんと引き継いでくれたことです。女子版ティキ・タカと称されたパスワーク、全員出かけていく効果的なプレス、フィジカルの不利を恐れないデュエル、粘りに粘って粘り抜くディフェンス、守備ブロックからの堅守速攻、約束事をチーム全体で理解して浸透させる団結力と組織力、試合がいかなる局面になっても食らいついていく執念・・・。ごくシンプルなことの積み重ねと折れない意思こそ日本人らしいサッカーでしょう。代表チームの積み重ねてきたものが透けて見え、ようやくなでしこらしいチームになってきました。

 女子でできることが何で男子でできないのか、理解に苦しみます。

 来年のW杯に向けてまだ時間があるので、これからどれだけチーム力を上げていけるか。現在のなでしこは世界のセカンドグループですから、まだ優勝を狙う力はないと思います。それでもなお、ベスト8・4の上位進出を期待していい位置にはいるはずです。不甲斐ない男どもはおいといて、彼女たちを応援したほうが実りがありそうですね。

  長くなってきたので、一回ここで切ります。