では、続けてまいりましょう。W杯の感想、昨夜の分です。極私的には我らがアジア勢・イランとサウジの健闘を大いにたたえたいと思います。
【ウルグアイVSロシア⇒やはりつまりは消化試合】
こういうのを俗に消化試合といいます。ウルグアイがさっさと2点を決めた後、特に後半はお互いにリスクを避けるだらだらとした展開。ウルグアイはカバーにまでゴールを決めましたので、いい調整を終えて決勝トーナメントに臨むことになりました。ロシアもすでにノルマは達成しているので、負けても痛くもかゆくもないのですからこんなものでしょう。皆さん、お疲れ様でした。
アジア勢の中でも開幕戦で情けない姿を見せたサウジをdisってきたんですが、すみませんでした。最後に意地を見せてエジプトから白星をもぎ取りました。ショートパスをつないでビルドアップしていくという、アジアでやっているサウジのサッカーが構築できた唯一の試合でしたので、やっとサウジ本来のリズムで戦えたということでしょう。エジプトが本来の出来ではなかったとはいえ、アジア勢にとってもサウジにとっても、まずはW杯で勝ち星を挙げたことが大きいはずです。この勝利は素直に讃えられるべきものでしょう。
対して、エジプトは最後までサラーを生かす攻撃の連係を見せることができず。見せ場なくW杯を去ることになってしまいましたね。少し残念です。
【イランVSポルトガル⇒アジア最強国・躍動】
イランは素晴らしかったと思います。EURO2016を制し、世界的な大エースを要する強国に臆することなく対等にわたりあい、ポルトガルをグループリーグ敗退寸前まで追い詰めました。やはりアジア最強国はイランだと思います。スペイン・ポルトガルと同居する厳しいグループの中で、十分に存在感を示した大会でした。できればアップセットを起こしてほしかったですが・・・。
対して、ポルトガルは不安な出来です。クリロナがPKを決めていれば普通にワンサイドゲームにできた試合なんですが、大エースのミスで膠着した試合になってしまいました。それでも決勝トーナメント進出したとはいえ、次戦は好調なウルグアイ。そして、今後のグループリーグの展開次第では死のトーナメントの幕が上がることになります。
リベリア半島のもう1つの雄・スペインも決勝トーナメントに向けて不安の残る勝ち上がりになりました。すでに敗退が決定しているモロッコに先行を許す苦しい展開。イニエスタのミスが取りざたされていますが、イニエスタだけでなくディフェンスラインが穴だらけで課題山積み。集中を欠いた場面も各所に見られましたし、まだチーム全体として地に足がついていない感じがします。次のロシア戦に敗れることは考えにくいとしても、優勝できそうなイメージは湧いてきませんでした。
対するモロッコは、白星こそ上げられませんでしたが、3試合とも好ゲームで、グッドルーザーという印象があります。いいチームでした。