では、昨晩のW杯の試合の感想とまいりましょう。イングランドの成長ぶりが目についた感じがします。
【スウェーデンVSイングランド⇒若きチームの盤石の試合運び】
若き「スリーライオンズ」が1試合ごとにたくましくなっていますね。試合序盤こそスウェーデンの守備ブロックにてこずったものの、前半30分にCKからマグワイアが先制点、セットプレーから先制点を奪うと、あとは内容的にはほぼスウェーデンを押しまくりました。左右のウイングの豊富な運動量、攻撃陣の献身的なプレッシング、スウェーデンのパワープレーを抑え込んだディフェンス陣と、最後まで動きが衰えませんでした。カウンターからの危ない場面もいくつかありましたが、ピックフォードがファインセーブを見せてゴールを死守。結局、ほぼ危なげなくスウェーデンを退けるという、戦前の予想に反した展開になりました。
これで近年壁になっていた準々決勝を突破。次のクロアチアは油断できない相手ではありますが、若さと勢いに勝るヤング・イングランドが現状のチーム力では勝っている印象です。近年、代表チームの実績は女子の「ライオネス」の後塵を拝してきましたが、ようやく肩を並べるところまで上がってきました。
対するスウェーデンは、やはり攻め手があまりに少なかったのと、チーム状態がかなり劣化していた印象です。前線で動き回れるタレントがあと1・2枚いれば、カウンターからの好機をもぎ取れたと思うのですが。それでも、このチームでベスト8なら上々でしょうね。
【ロシアVSクロアチア⇒不屈の闘志のぶつかり合い】
ロシアはラウンド16でスペイン相手に引きまくり、クロアチアはグループリーグより劣化した凡戦を演じていたので、どこまでの試合内容になるのか気をもんだところもありましたが、ファイトむき出しの好ゲームとなりました。PK戦の末に勝ち上がったのはクロアチア。最後はわずかにチーム力とツキでロシアを上回ったということでしょうか。
勝者はクロアチアですが、讃えられるべきはホスト国のロシアでしょう。「最弱のホスト国」という大会前の揶揄をけし飛ばす、闘志あふれる攻撃的サッカー。最後まで運動量を落とさずに走り回り、チーム一体となってどん欲に勝利を目指す姿は、清々しいものでした。前線にあと1・2枚タレントがいればまた違った展開に持ち込めたのでしょうが、やはりこの辺りが限界か。それでも十分に存在感を示した大会となりました。
対するクロアチアは2戦連続でPK戦を制しての勝ち上がり。グループリーグに比べるとチーム状態が消耗している印象は否めませんが、モドリッチを筆頭に闘志は一戦一戦増している印象です。苦しみながらも20年ぶりのベスト4まで上がってきました。老獪さや試合巧者というより、勝負根性とひたむきさでツキを引き入れたような印象です。しかし、この試合でさらにチームがすり減った感があるので、次戦のイングランド戦までにどこまでコンディションを戻せるのかが心配です。