otomeguの定点観測所(再開)

文芸評論・表象文化論・現代思想・クィア文化・社会科・国語表現・科学コミュニケーション・初等数理・スポーツ観戦・お酒・料理【性的に過激な記事あり】

2018出雲駅伝

 本日、既報の通りですが、駅伝シーズンの幕開けを告げる出雲駅伝が行われ、戦前の予想通りの強さを見せつけ、青山学院大学がまず1冠目を持っていきました。

 

 

第30回出雲全日本大学選抜駅伝競走

http://www.izumo-ekiden.jp/record/record.pdf

大会結果|第30回出雲全日本大学選抜駅伝競走

 面白くないレースでしたねー、といったら怒られるんでしょうか。1区で青山学院が早々にトップに立つと、終始先頭を譲らず完全優勝。5・6区で東洋が追い上げを見せたものの、ヒヤリとさせる場面すら作れずに青山の完勝に終わりました。今年は戦力の厚みから青山の力が頭一つ抜けていると思っていましたが、その予想通りになってしまいました。距離の短い出雲が他大学にとっては最も付け入るスキがあったはずですが、それがこの結果では・・・。エントリー人数が増え、距離が延びるほど強みを発揮してくるのが青山の層の厚さです。全日本、箱根に向けてまだまだ力のある選手たちがいることを考えると、3冠の可能性がぐっと高まりましたね。

 東洋は1~3区で青山にリードを作れなかったのが全てですね。主導権を握っていれば展開も変わったはずですが、青山に先手をとられてしまうと、ひっくり返すだけの反発力はやはりないようです。それでも全日本、箱根と青山に対する対抗の1番手になるはずなので、巻き返しを期待しましょう。

 東海は何とか3強の一角の位置は保ちましたが、優勝争いに絡む見せ場を作ることなく終わってしまいました。ベストメンバーを組めなかったのと、3区のブレーキが全てですね。本来、出雲こそ見せ場であったはずなので、ここでの完敗はかなり痛いです。入学時に黄金世代といわれた3年生たちが青山のエース級の走りを見せてくれないと、巻き返しは難しいですかね。

 今年も学生駅伝は青山学院が牛耳る図式が続きそうですね。

 

 ・・・と、表向きのコメントはこれくらいにして。毒を吐いておきましょう。今年はろくな日本人選手がいませんね。10000m27分台は順天堂の塩尻のみ。あとは28分17秒が最高、青山学院でさえ28分台前半の選手がいないという体たらくです。フジテレビの中継で10000m28分40秒台で30番手くらいの某選手を「学生陸上界のエース」などと嘯き、「4代目山の神候補」などというくだらない称号を使っていましたが、いい加減に意味のない煽りはやめてほしいものです。大した力のない若い選手を誇大に持ち上げ、観戦者や本人さえも勘違いさせる原因になるんですから。

 駅伝で活躍した選手が駅伝を練習台や踏み台としてマラソンに出てくることは大いに望むところです。また、今年の日本男子マラソンが久しぶりの活況になっているのも事実です。駅伝⇒マラソンというかつてのような好循環が復活してくれることも心底願っているつもりです。だからこそ、駅伝が公式戦ではないこと、選手のトラックの記録や実力をきちんと伝えること、駅伝の区間賞が限られた選手の中での争いでしかないこと、駅伝の成績はその選手の実力を示す指標にはならないこと、そして何より、駅伝にシーズンのピークを持ってくる競技サイクルに何の意味もないことなどをしっかり報道していくべきだと思います。