otomeguの定点観測所(再開)

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2019陸上日本選手権&ドーハ世界陸上代表発表

 毎度毎度の遅ればせですが、先月末に陸上の日本選手権が行われ、そして7月1日にトラック&フィールドの世界陸上代表内定者の会見が行われました。

第103回 日本陸上競技選手権大会 - 103rd JAPAN NATIONAL CHAMPIONSHIPS

https://www.jaaf.or.jp/files/upload/201907/02_165519.pdf

https://www.jaaf.or.jp/files/upload/201907/02_165541.pdf

  最大のニュースはもちろんサニブラウンの短距離2冠です。

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 そして、代表内定者は次の通りになります。

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https://www.jaaf.or.jp/files/upload/201907/01_143541.pdf

サニブラウンら男女10人、世界陸上日本代表発表 - 陸上 : 日刊スポーツ

サニブラウン、桐生、山県ら世界陸上リレー代表候補 - 陸上 : 日刊スポーツ

◆男子
短距離 サニブラウン・ハキーム(20=フロリダ大)
障害 高山峻野(24=ゼンリン)安部孝駿(27=ヤマダ電機
跳躍 戸辺直人(27=JAL)橋岡優希(20=日大)
混成 右代啓祐(32=国士舘クラブ)

400メートルリレー サニブラウン・ハキーム桐生祥秀山県亮太、小池祐貴、多田修平、坂井隆一郎、飯塚翔太、白石黄良々、ケンブリッジ飛鳥、川上拓也、橋元晃志
1600メートルリレー ウォルシュ・ジュリアン、佐藤拳太郎、河内光起、北谷直輝、若林康太、小渕瑞樹、伊東利来也、井本佳伸、山下潤、田村朋也、染谷佳大、飯塚翔太

◆女子
障害 木村文子(31=エディオン) 
長距離 鍋島莉奈(25=日本郵政グループ)木村友香(24=資生堂
投てき 北口榛花(21=日大)
1600メートルリレー 青山聖佳、松本奈菜子、岩田優奈、武石この実

(日刊スポーツ記事より)

 これで選考が終わったわけではなく、今後の競技会で追加発表がされてくるはずですが、トラック長距離偏重の当ブログから見ると、長距離が相変わらず壊滅しているのが目につきますね。先日の日本選手権10000mもdisってしまいましたが、

2019日本選手権10000m⇒話にならん凡戦 - otomeguの定点観測所(再開)

 派遣標準記録を目指して競り合う女子はまだしも、男子は派遣標準記録に届かせる意思がなく凡戦を繰り返すのみ。マラソン重視を言い訳にしてトラックを軽視する風潮がいまだ続いているのが、もどかしく忸怩たる思いです。今後、まだ記録会や協議会は予定されていますが、大迫がMGCに回る以上は、今回も男子は派遣選手なしという体たらくに終わる可能性が髙いでしょう。

 MGCについてはこんなおこぼれもあったようですが。甘やかすとつけあがるのでやめたほうがいいと思います。

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 では、日本選手権の男子長距離を振り返ってみたいと思います。

 

【男子5000m】世界陸上派遣標準記録13分22秒50

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 富士通の松枝が2017年に続き2度目の優勝を果たしました。ペースの上げ下げにも惑わされることなく、終始2・3番手という安定した位置でレースを進め、のこり1周からスパートをかけて先頭に立ち、勝負に徹したレースでビッグタイトルを手にしました。・・・と書くとなかなか華々しいんですが、史上空前の凡戦だった昨年よりはまだましだったとはいえ、優勝タイムは世界陸上派遣標準記録に大きく及ばず13分41秒27。それなのにゴールして雄たけびとガッツポーズですから、松枝をはじめ日本選手は誰一人世界陸上を意識したレースをしなかったということです。結局、今年もスローペースに堕した凡戦に終わりました。レース後、こんなコメントがありましたが、

このレースには、井上さん(大仁、MHPS)だったり、設楽さん(悠太、Honda)だったり、MGCファイナリストの方々が、レースに出てくださっていた。マラソンが陸上界を盛り上げてくれているので、我々トラックも盛り上げなくてはというつもりで走った。(MGCファイナリストたちに)しっかりぴったりつけないようでは、世界の舞台というところでは話にならない。今日はたまたま勝てたが、もう一段上を狙ってスキルアップしなければと思っている。

今年はドーハの世界陸上があり、ずっとそこを目標にしている。アジア選手権、日本選手権、そして、ヨーロッパで記録を狙っていくというステップのなかで、うまく階段を踏めてきているので、最後の1つ高い“1段”にチャレンジして、(世界選手権に)出たいなと思う。

【第103回日本選手権】男子5000m優勝 松枝博輝(富士通・千葉)コメント:第103回 日本陸上競技選手権大会(引用元)

 いや、日本選手権で日本人同士が競り合って派遣標準記録にチャレンジしなきゃいけないはずで、女子長距離や男子も3000m障害の選手たちはその気概でレースをしていたんですが。ぶっちゃけ、このコメントを見てさらに期待度が下がりました。この暗黒時代を打破する選手が出てきてくれないものでしょうか・・・。

 

【男子3000m障害】世界陸上派遣標準記録8分29秒00

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阪口竜平が日本選手権初V。まったく歯が立たず→1年で好敵手に勝利|陸上|集英社のスポーツ総合雑誌 スポルティーバ 公式サイト web Sportiva

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阪口竜平が日本選手権初V。まったく歯が立たず→1年で好敵手に勝利|陸上|集英社のスポーツ総合雑誌 スポルティーバ 公式サイト web Sportiva

 

 今や男子長距離の最後の牙城となっている3000m障害。世界陸上を目指した東海大・阪口と富士通塩尻の競り合いは、阪口に軍配が上がりました。映像にもある通り、塩尻は転倒のアクシデントもありましたが、ツイートを見る限り、ひどいけがではないようなので安心しました。優勝タイム8分29秒85で、参加標準記録にわずか0秒85届かず。大学生で自己ベストを更新しての日本選手権優勝ですから立派なものですが、レース後は派遣標準記録に届かなかったことに対して悔しさを見せていました。この先のレースで阪口も塩尻も派遣標準記録突破の可能性は十分あるはずです。是非、二人そろって記録を突破し、ドーハの舞台に立つことを期待したいと思います。

 

【当ブログ過去の日本選手権の記事】

2019日本選手権10000m⇒話にならん凡戦 - otomeguの定点観測所(再開)

2018・陸上日本選手権 3日目 - otomeguの定点観測所(再開)

2018陸上・日本選手権1日目 - otomeguの定点観測所(再開)

2017陸上・日本選手権の雑感 - otomeguの定点観測所(再開)

2016陸上・日本選手権最終日 - otomeguの定点観測所(再開)

2016陸上・日本選手権初日 - otomeguの定点観測所(再開)