990
本当に久しぶりの更新ですね。多忙なのは間違いないんですが、文学・文化・思想・科学的なテキストを起こす内的なエネルギーが枯渇しているのも間違いないです。当分、さぼり状況が続きそうですね。すみません。
お茶を濁すというわけではありませんが、今回はいつもと趣向を変えて、故郷・山形のカフェの紹介をしつつ、久しぶりにワインやビールの話をしたいと思います。
【紅の蔵に併設されたCAFE&DINING】
山形市内の観光名所といえば霞城公園とか文翔館とか複数ありますが、お土産を買うスポットとしてお勧めなのがこちら、紅の蔵になります。山形駅から歩いて15分くらいですね。
山形市内を散策する場合、無料で自転車が借りられるので、それでぐるぐる回るのがお勧めなのですが、この紅の蔵も自転車で回れるルートに入ります。山縣の観光案内所兼物産館であり、野菜などの販売のほか、山形県内のお土産をいろいろ集めたおみやげ処もあるので、とりあえず山形土産で迷ったらここに行くのがお勧めでしょう。山形市周辺だけでなく、置賜・庄内・最上と各地のお土産がかなりたくさん置いてあります。
そして、紅の蔵の食事・休憩でお昼でもディナーでもお勧めしたいのが冒頭にリンクを貼った990です。紅の蔵に併設されたCAFE&DININGです。店内は少しレトロな作りで落ち着いた雰囲気です。イタリアンベースと紹介されることが多いようですが、どちらかといえばフレンチではなくフランス料理寄りの洋食のお店でしょう。山形県の産直の食材を使ったこだわりのメニューが出てきて、なかなかおいしいです。定番ですが、やはりナポリタンが一番おいしい気がします。
【Cafe&Dining990】9/11までのナポリタンウィーク! | Cafe & Dining 990(画像元)
さて、ここからがメインですが、このお店でお勧めなのはやはりワイン。ランチから複数のグラスワインをお手ごろな価格で、しかも山形の地ワインをグラスでぐいぐい飲めるという、山形市内でも(多分)指折りのワインのスポットではないかと思います。ワイナリーに直接行くのもいいんですが、こういう洒落たところで味わうのも乙なものですよね。
山形ワインといえば、蔵王ウッディファームとか、伊勢志摩サミットで提供された朝日町ワインとか、有機ワインの老舗・タケダワイナリーとか、スパークリングが絶妙な高畠ワイナリーとか、東北最古の酒井ワイナリーとか、この辺がお勧めにはなります。
しかし、今回というか今年一押しのワイナリーといえばやはり南陽市赤湯にこの秋開設予定のイエローマジックワイナリーでしょう。990でも出していたので、グラスで飲んだ挙句、委託醸造のうちの1本をゲットして実家で飲んでみました。
代表の方が滋賀のヒトミワイナリー、大阪のフジマル醸造での経験があるということからピンときましたが、恐らく追求しているのは、日本ワインらしく素材としてのブドウを生かすため発酵を意図的に抑え、甘みと酸味併せてブドウの素材の味を十全に引き出す、無濾過の有機濁りワインでしょう。滋賀のヒトミワイナリーが得意としているスタイルです。
日本ワインの特徴は、フルーティではありますが甘味酸味ともに抑えめでブドウの素材の風味を損ねずシンプルに引き出すこと、だと私は思っていますが、イエローマジックの赤もまさしくこのスタイル。熟成されたワインを飲んでいるというより、ブドウ果実そのものをぶつけられている感じで、いい感じの雑味や粗さがありました。瓶を空にするとブドウの種や皮がごそっとでてくるのも趣をそそります。ただし、チーズなどの乳製品や果物を除くと、料理と合わせづらいのも事実でしょう。お酒単体では美味と感じるブドウの酸味や雑味や濁りの粗さが、フードと合わせると邪魔に感じられます。多分、飲み手を選びますし、お酒に合うおつまみを作るのに骨の折れるワイナリー。でも、極私的にはその労を負うだけの美味しさのあるワイナリーだと思います。
来年、蔵王ウッディファームから独立した方が山形に新しいワイナリーをオープンするとの話を耳にしましたので、まだまだ新規開拓の楽しみがありそうです。
【山形ワインに比べて山形ビールは・・・】
さて、その990ではクラフトビールの扱いも始めたとのことで、店員さんに何があるのか聞いてみました。生サーバーがお客さんから見えるところにおいてありましたが、よなよな、常陸野ネスト、金しゃちの赤味噌・・・どこにでもある4TAPSのやつですね。
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山形ビールについて店員さんに聞いてみましたが、「置けるレベルにない」とばっさり。山形の物産を集めた紅の蔵のお店でそういう扱いになっちゃうんですね。でも、残念ですし悔しいけど、私も同意見です。
一応、紹介しておくと、山形を代表するブルワリーが月山地ビールです。
月山の名水を使って、ドイツ産の麦芽・酵母・ホップを利用し、ドイツの醸造技術と醸造機器で作られているというふれこみですが、うーん・・・。今回もピルスナーとスペシャルと称されたものを道の駅で買って飲んでみました。悪いけど、どこでも作れる普通のビールで、パンチ力に欠けるという印象です。ビール好きとしてはやはりクラフトにはそれなりの個性を求めたいんですが、これでは・・・。残念ながら、山形はやはり東北6県の中で最も地ビールの弱い県になっちゃいますね。
昨年できた新しいブルワリー、新興勢力に期待するしかないですね。
https://ja-jp.facebook.com/NagaiBreweryCraftsman/
http://samidare.jp/nagaifan30/note?p=log&lid=467029
ここは山形産のホップや風味の原料を使ったブルワリーです。取り寄せて飲んでみましたが、独特の風味を持ったペールエールでした。完成度を高めていくのはこれからという感じですが。
米沢ジャックスブルワリー/Yonezawa Jacks Brewery
https://www.facebook.com/YonezawaJacksBrewery/
極私的に期待をしたいのはこのジャックスブルワリーです。都内のビアバーでも提供されているそうですが、ペールエールもIPAもバランスのいい仕上がりでした。今のところ、山形のブルワリーで県外のビアフェスなどに打って出られそうなのはここしかないと思います。