otomeguの定点観測所(再開)

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五輪マラソン 東京から札幌へ

 こんなニュースが駆け巡っていますね。極私的には、アスリートファーストということで賛成です。

 

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 駆け巡っているニュースの通りですが、マラソン競歩の開催地が東京から札幌になるそうです。先日のドーハ世界陸上の酷暑がこの変更の後押しをしたそうですが、極私的にはアスリートファーストということで賛成です。東京の高温高質のレースで棄権者が大量発生するレースを強行するよりは、札幌の夏も最近かなり暑いとはいえ、東京よりはまだ適正な気温と湿度でまともなレースになるでしょうから。

 幸い、日本のメダル獲得戦略に大きな影響はありません。競歩世界陸上で金2つを獲得したことからも分かるように、そもそも世界の強国としての強さがありますから、東京であろうと札幌であろうと変わりなく実力は発揮できるでしょう。

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 このコメントが王道。さすが金メダリストですね。

 じっと受け止めている競歩勢に対し、マラソン勢は混乱しているようですね。東京開催を前提にMGCという奇策を打ち、ここ数年、マラソンに集中的に資源を投入する強化というか偏った運営を進めてきましたが、それらすべての前提が崩れ去ったわけです。極私的には、非常にすがすがしい気分です。正直、ざまあみろと言いたい。

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 当ブログでは、繰り返しMGCに反対してきました。所詮、MGCは陸連が打ち出した奇策に過ぎず、自画自賛で凡戦となったMGCを賛美していましたが、何の強化にもつながっていません。むしろ、男子の長距離トラックは弱体化し、選手権レースに3大会連続で代表選手すら送り込めないという、危機的な状態に陥りました。このつけは東京五輪の後にたっぷりと出てくるはずです。

 本来、マラソン・長距離の強化はトラックとロードが連動して王道でやるべきなのです。男女とも長年停滞している10000m・5000m・3000SCの日本記録を動かし、例えば男子なら10000mを27分台前半から26分台、5000mを12分台に引き上げ、日本選手の基礎スピードを高めたうえでマラソンへと反映させていく。陸連が率先してこの流れをつくろうとしなければいけないはずです。国内で駅伝などというコップの中の争いにかまけている余裕など全くありません。

 マラソンの一発選考にこだわるなら、国内マラソン唯一のメジャーレースである東京マラソンで男女とも一発勝負にすれば済むだけの話です。国内の興行的な理由に考慮して、東京マラソンと他のローカルレースを同格に扱っていますが、その方針が間違いです。東京マラソンに国内の女子トップ選手がほとんど出てこず、ローカルレースの大阪や名古屋に回るという奇怪な現象が生じています。このいびつさを放置してきたことがおかしいのです。

 男子の長距離・マラソンは来年の札幌でマラソンが大敗し、東京のトラックで代表選手を送り込めず、世界に恥をさらすべきです。屈辱にまみれて解党的な立て直しを図るしかありません。それが嫌なら、これから必死になってトラックの代表選手を鍛え上げるしかないでしょう。本来、それが強化の王道なのですから。