otomeguの定点観測所(再開)

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2019出雲駅伝⇒日本人が雑魚しかいない世界

 さあ、それでは駅伝をdisりましょう。先日、学生三大駅伝の開幕を告げる、出雲駅伝が行われ、國學院大學が初優勝を飾りました。

【3強⇒5強へ】

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 戦前は東海・青山・東洋の3強といわれていましたが、インカレなどトラックのタイムの比較から、駒澤や國學院もダークホースとしてささやかれていました。そして、そのささやき通り、國學院が見事に初優勝をさらっていきました。アンカー勝負をはなの差で制したというところですね。これで全日本・箱根に向けて、國學院は優勝候補に挙げられるチームになっていくことになります。しかし、全日本はまだしも、10枚コマをそろえなければいけない箱根については、やはり苦しい印象があります。

 東海は4位、青山は5位と、戦前は優勝候補に挙げられていた2チームは苦戦を強いられました。しかし、5位の青山でも優勝した國學院とはわずか53秒差です。全日本・箱根に向けて青山がメンバーを立て直してくることを考えると、いくらでも逆転の芽はあるでしょう。すでに各所でささやかれていますが、今年は飛び抜けたチームのいない戦国駅伝であり、前述の3強に駒澤・國學院を加えた5強を軸に、混沌とした様相が展開されています。展開次第では他の大学が優勝をかっさらう可能性もあると思うので、観ている側にとっては面白い年になりそうですね。

 見方を変えてみましょう。残念ながら、今年の大学駅伝の日本人選手は近年まれにみる低レベルです。五輪・世界陸上で戦える水準の実績を有する選手は3000mSCの阪口竜平(東海大)くらいです。その阪口も本職は中距離なので、ロードでの抜きん出た力はありません。それに、本来は駅伝シーズンを調整に充てて来年の東京五輪を全力で目指すべき選手です。阪口を除けば、今年は10000m27分台の選手が明治の阿部しかおらず、しかも箱根駅伝の予選会に阿部はエントリーされていません。

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 5強の10000mベストタイムは東海・鬼塚と東洋・相澤の28分17秒です。つまり今年は、昨年までの塩尻和也のようなスター選手不在の駅伝になります。群雄割拠の戦国駅伝といえば聞こえはいいですが、飛び抜けた選手がおらず華に欠ける駅伝という見方もできます。というか、出てくる選手たちのレベルを考えると、それくらいうがった見方の方が正しいと思います。所詮、世界からかけ離れたコップの中の争いですから。

 当ブログで何度か書いていることを繰り返します。駅伝はあくまでエキシビジョンであり、駅伝における走りはその選手の実力とは何の関係もありません。カレッジスポーツとしての駅伝が盛り上がるのはいいことです。大いに盛り上がるべきです。しかし、その先に長距離・マラソンの向上がくることが大前提です。駅伝が競技生活の目的・目標となるのは本末転倒であり、金栗翁に対する冒瀆です。これらを弁えたうえで、あくまでカレッジスポーツとして三大駅伝を観戦しましょう。