otomeguの定点観測所(再開)

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2021東京オリンピック総括④男子マラソン・長距離

 東京五輪総括第4弾は男子長距離・マラソンです。これでひとまず五輪関連の観戦記事は終えます。

 【3000m障害】

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 極私的には、トップで扱うべきはマラソンではなく、3000m障害です。リオ五輪以降、国際大会に代表すら派遣できない体たらくだった日本の男子長距離において、唯一、国際舞台を目指して戦ってきたのがこの3000m障害の選手たちでした。そして、五輪という大舞台で日本記録更新、男子のトラック個人種目において高岡寿成以来の入賞。見事なパフォーマンスでした。3年後のパリ五輪に向けて、非常に楽しみな選手が出てきました。まずは2022年のオレゴン世界陸上を目指すとともに、日本記録のさらなる更新、7分台突入を目指してほしいと思います。

 

【男子マラソン

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陸上・陸上男子マラソンの結果 - 東京オリンピック・パラリンピック特集 - Yahoo! JAPAN

 男子マラソンはキプチョゲの独壇場でした。走る姿で観衆を魅了できる数少ない選手がその力をいかんなく発揮して、五輪連覇の快挙。他の選手が追随できない圧倒的な力を維持しているだけに、パリでの前人未到の五輪3連覇も大いに期待してしまいます。

 大迫はなんだかんだ騒がれていますが、男子長距離におけるただ一人の世界基準、エースとして堅実にノルマを達成する走りをしました。実力なりの走りをしたということであり、これくらいやらなければいけない選手なので、取り立てて騒ぐことでもありません。今回を最後に競技から退くというのは非常に残念ですが、実業団システムによって停滞していた日本のマラソン・長距離に大きな風を吹き込んだ功績は非常に大きなものであり、偉大な選手だったと思います。これからも彼の活動には注目していかなければならないでしょう。

 他の2人は初めから格落ちすることは分かっていたとはいえ、無様なレースでした。今やだれも覚えていないでしょうが、MGCという意味のないプロジェクトで選出された代表は、男女ともに五輪本番でまったく結果を残せませんでした。結局、ここ何年かの奇策によるバカ騒ぎには何の意味もなかったということです。

 まずはトラックからの地道な競技力の向上、そして駅伝変調を排した正常な競技サイクルを回し続けること。日本のマラソン・長距離の発展にはそれしかないということです。

 

オリンピック 陸上男子5000m 坂東悠汰・松枝博輝 予選敗退 | 陸上 | NHKニュース

オリンピック 陸上 男子10000m決勝 相澤は17位 伊藤は22位 | 陸上 | NHKニュース

 5000m・10000mはともに入賞ラインに大きく届かず。しかし、数年前までは国際大会に選手を派遣できない惨状だったことを考えると、ここに若い世代の選手たちが立っていることが達成であり前進です。まずはこれを出発点に、世界と戦えるレベルを目指してほしいと思います。