今回のテキストはギャルゲーに関するものでございますので、18禁のジャンルに関心のない向きはこの先をお読みくださらないよう、お願いします。
【待望・・・!】
いやあ、このシリーズの新作をまたプレイできる日が来るとは。ギャルゲーをプレイして早20年近くになりますが、私が数々プレイしてきた中でも最も世界観の好きなシリーズの1つが〈おとボク〉です。『2』が出た後、もうこのシリーズの新作は出ないと思っていたので、今月、『3』のニュースが解禁になったとき、深い感慨に襲われました。これでまた生きる理由ができました。
まだ発売前なのでネタバレは避けますが、体験版をプレイした限りでは、これまでの〈おとボク〉シリーズの魅力は健在です。箱庭のような優雅な世界と適度なコミカル、ジェンダーレスに侵される主人公の苦悩、女子力の高い主人公の男の娘としての完成度、少女たちの心情の機微を細やかに描いたテキストなど、『1』『2』におけるシリーズの長所はほぼそのまま受け継がれています。シリーズのファンにとっては十分に期待の持てる出来になっているといえるでしょう。様式美で塗り固めた作品であるため、新作としてどこまで新機軸を打ち出せるのかが問題ですが、それはお手並み拝見というところでしょうか。
とにかく来年2月の発売を楽しみに待ちたいと思います。
【〈おとボク〉シリーズ振り返り】
では、ここで軽く『1』『2』について振り返っておきましょう。
そもそも〈おとボク〉とは、現在につながる男の娘ゲー・百合ゲーの隆盛(??)の基盤を作り、男の娘というアイコンに貢献した(??)シリーズです。現在では優れた男の娘ゲー・百合ゲーがいろいろと発売されていて、安心して男の娘を百合の花園に放り込むことができますが、
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『1』が発売された当時は、男の子を百合の園に突っ込むこと自体が画期的なことでした。ジェンダーレスな世界観と物語に危うさと切なさを感じて萌え狂ったことをよく覚えています。もし〈おとボク〉が存在しなければ、後発の男の娘・百合作品群が作られることはなかったかもしれませんし、ギャルゲーにおける男の娘というアイコンの位置自体が変わっていたかもしれないので、ジャンル的な影響力は高かったシリーズだと思います。
で、記念すべき『おとボク1』がこちら。
処女はお姉さまに恋してるとは (オトメハボクニコイシテルとは) [単語記事] - ニコニコ大百科
2005年の作品ですから、演出や作画・シナリオなど、現在から見ると古びている要素も見られますが、全体的な完成度は高く、現在でも十分に楽しめる作品だと思います。SEXシーンの描写は抑えめです。あくまで物語と世界観を楽しむことが主眼の作品であり、主人公やヒロインの関係性や心情の淡い機微をどこまで味わえるかが肝となっています。
また、セルフパロディも秀逸で、こんな感じでいろいろアイコン化されていました。
また、ゲームだけでなくTVアニメも秀逸でした。ゲームの世界観・物語をバランスよく描き切るとともに、アニメ独自のコミカルで細やかな演出を随所に挟んでいて、非常に丁寧な作りの作品でした。ギャルゲーのアニメ化としては成功例の1つだと思います。
そして、続編の『2人のエルダー』。
処女はお姉さまに恋してる2人のエルダーとは (オトメハボクニコイシテルフタリノエルダーとは) [単語記事] - ニコニコ大百科
小説版を介して『1』と連結された作品であり、前作への参照が各所に見られます。というか、まずはこっちを読んでおきましょう。
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前作に比べてシナリオのテキストが洗練されていて、文芸としての完成度は高いです。また、ヒロインの個性が多彩になり・・・というよりケイリを筆頭にヒロインが奇人揃いになったため、彼女たちのアクの強さをいかに楽しめるかがこの作品の肝となっています。
この作品もアニメ化されましたが、こちらは黒歴史扱いにしておきましょう。
むしろ面白かったのは、まるち文庫から発売されていたノベライズです。なぜか雅楽乃が主人公でプッシュされまくっていたので、雅楽乃こそ正史なのだと錯覚しながら愉悦しつつ読むことができました。
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『3』が前2作に匹敵するクオリティになることを祈りつつ、発売を楽しみに待ちたいと思います。
でも、螺旋宮殿をケイリ以外のキャラに使うのは無理があると思う。