otomeguの定点観測所(再開)

文芸評論・表象文化論・現代思想・クィア文化・社会科・国語表現・科学コミュニケーション・初等数理・スポーツ観戦・お酒・料理【性的に過激な記事あり】

2020極私的回顧その3 サッカー日本代表(男子)

 極私的回顧を続けますが、今回はここ数年まとめたくはないのですがまとめざるをえない我が男子代表、サムライブルーという案件です。

2019極私的回顧その3 サッカー日本代表(男子) - otomeguの定点観測所(再開)

2018極私的回顧《スポーツ》③ サッカー日本代表(男子) - otomeguの定点観測所(再開)

2017年極私的回顧《スポーツ》③ サッカー日本代表 - otomeguの定点観測所(再開)

2016極私的回顧プレ①サッカー日本代表 - otomeguの定点観測所(再開)

 今年は新型コロナの影響でワールドカップアジア予選が中止となったため、サッカー日本代表の活動も一時休止。サッカー協会会長がコロナ感染というとんでもないニュースも流れましたが、重症化せずに復帰してくれたのにはほっとしました。現会長が会長としてふさわしい人物かどうかという評価は別にして。
月刊JFATV 2020年4月号~ 田嶋幸三日本サッカー協会会長×岩政大樹が新型コロナウイルス感染、医療現場の現実を語る~

サッカー協会の田嶋会長「現場は必死」 病床で感じた医療危機―新型コロナ:時事ドットコム

JFA田嶋会長の妻・土肥美智子医師が語る新型コロナ感染者、濃厚接触者のリアル - スポーツナビ

 代表活動休止中、森保監督は度々ビデオメッセージを発信し、日本サッカーを支える姿勢を献身的に見せていたと思います。もちろん、これも大切なことです。


SAMURAI BLUEの森保一監督よりインターハイ・全中への出場を控えていた選手へメッセージ|SportsAssistYou ~いま、スポーツにできること~


森保一監督よりJFAサッカーファミリー支援金とチャリティーグッズ販売のお知らせ

 しかし、この活動と代表監督として森保が適任かどうかという評価も、もちろん無関係です。

 10月、ようやく代表の活動が再開され、親善試合で4試合をこなしました。10月はオランダに遠征して2試合。


【ハイライト】日本代表vsカメルーン代表|国際親善試合 2020.10.9 スタディオン・ハルヘンワールト(オランダ/ユトレヒト)

サッカー代表 - 日本vs.カメルーン - 試合経過 - スポーツナビ

 マスコミの選評では日本の守備が機能してカメルーンにチャンスを与えなかった、なんてあまい評価もありましたが、前半は危なかったですね。組織力のないいつもの日本の動きの甘さが露呈して、DFは緩い裏のスペースを何度も狙われ、プレスの甘い中盤も前にけり出すのが精いっぱい。前半は間違いなくカメルーンのペースだったはずです。後半、カメルーンが疲れてスピードが落ちてくるとようやく日本ペースになりましたが、サイドからクロスを上げるしか攻撃の選択肢がなく、高さに劣る日本はシュートをほとんど打てずじまい。いつもの進歩なき森保ジャパンが帰還したという印象でした。


【ハイライト】日本代表vsコートジボワール代表|国際親善試合 2020.10.13 スタディオン・ハルヘンワールト(オランダ/ユトレヒト)

サッカー代表 - 日本vs.コートジボワール - 試合経過 - スポーツナビ

 2戦目も内容面の収穫はなし。後半ロスタイムに植田のごっつぁんゴール(??)で、どうにか2戦連続スコアレスは免れたものの、攻撃の組み立てはまるで形が見えないまま。コートジボワールのプレスがきつくなかったので、遠藤を中心とした中盤のトライアングルが機能し、DF陣がそれなりに粘れたことは収穫でしたが、課題解決の糸口が見えないオランダ遠征となりました。

 そして、11月のオーストリア遠征。今の日本がちょっと本気を出した相手には通用しないということを改めて認識させられました。


【ハイライト】日本代表vsパナマ代表|国際親善試合 2020.11.13 シュタディオン・リーベナウ(オーストリア/グラーツ)

サッカー代表 - 日本vs.パナマ - 試合経過 - スポーツナビ

 控えメンバーの実験的な馴らしの意味が強かった試合。意思疎通も連動性も約束事もない日本は前半ばらばらに動いており、シンプルなマンマークを行ってきたパナマに何度もゴールに迫られます。パナマのシュートが正確さを欠いたので命拾いしましたが、前半終了間際の無人のゴールが象徴するように、日本が惨憺たる出来であったのは確かでした。後半、遠藤を投入するとようやく日本のビルドアップが始まってチャンスが生まれるようになり、パナマの運動量が落ちてきた後半33分にようやく1点先制。終盤はスルーパスが面白いように決まってチャンスを量産しましたが、いつもの決定力不足を露呈して結局1点どまり。勝ちはしましたが消化不良感が強く残る試合になりました。


【ハイライト】日本代表vsメキシコ代表|国際親善試合 2020.11.17 シュタディオン・リーベナウ(オーストリア/グラーツ)

サッカー代表 - 日本vs.メキシコ - 試合経過 - スポーツナビ

 皮肉なことに、内容的には今年最も良かった試合でした。前半は日本がビルドアップしてボールを支配する時間も多く、ハイプレスをかけてくるメキシコとほぼ互角の攻防で、後半に期待を持たせる内容だったと思います。しかし、後半の選手交代で指揮官の力の差がもろに出ました。メキシコが2人交代して4-2-3-1の形にしつつ、フィジカルの強さを前面に出した戦術に変えてきたのに対し、我らが森保は機能しない1トップ・南野と、足元の選手を入れてもかえって状況を不利にするという、常に裏目の選手交代。指揮官が試合状況をどんどん悪化させるという悪手を打ちます。修正は選手に丸投げといういつもの森保采配で、後手に回って完敗を喫しました。

森保監督がメキシコ戦采配批判に反論「安全にやっているだけではチーム力は上がらない」 | 東スポの日本代表に関するニュースを掲載

『采配批判』に森保代表監督が“反論”「ただ安全にやっているだけでは…チーム力は上がっていかない」:中日スポーツ・東京中日スポーツ

 采配批判に対して力強く反論していましたが、自分の無策を棚に上げ、選手の判断能力向上や自主性を改善点に挙げているうちは、今の状況が改善されることはないのでしょう。

 去年と状況が変わっていないので、去年の回顧の結論をコピペしてお茶を濁します。

 閉塞状況を打破する対策ははっきりしています。ジャパンズウェイなる空想を破棄し、森保をはじめとする無能な指揮官および田嶋をはじめとする協会の上層部を国外追放することです。しかし、田嶋の体制は当分盤石でしょうし、満を持して協会が据えた日本人指揮官である森保が更迭されるとは思えません。協会にぶら下がってチョウチン記事を垂れ流す日本のサッカージャーナリズムの森保や田嶋に対する非難・糾弾は非常に甘っちょろいものです。ガラパゴス化して久しい日本サッカーの戦術・技術・作戦・組織もろもろは、すでにアジアの中でも時代遅れなものになっているのですが、内輪の論理を優先する日本サッカーがこの状況を正視することはないんでしょうね。

 2021年は中断していたワールドカップ予選が再開されます。さすがに日本が2次予選で消えることは考えづらいですが、まさかのW杯予選敗退まで見越した感染が必要になるかもしれません。来年もストレスのたまる1年になるのか・・・。

W杯アジア2次予選の開催時期が2021年3月と6月に決定!|日本代表 | Goal.com