それでは、本日の陸上・日本選手権の中で、私が注目した主な競技の感想を述べたいと思います。
【女子5000m】
初日の10000m同様、鈴木と関根という日本郵政の2選手がレースの主導権を握り、ワンツーフィニッシュの再現を狙いました。終盤は先頭がくるくると入れ替わる目まぐるしい展開でしたが、ラスト200メートルで尾西がスパートし、そのまま日本郵政の2人を突き放して優勝しました。最後はスパートのキレ味の差が出たという感じでしたね。これで尾西はリオ代表に内定。鈴木と関根が2位と3位に入ったので、10000mとメンバーが重なりますが、そのまま5000mも代表に選ばれるかと思います。
【男子5000m】
ラスト1周の手前で先頭に立った大迫がそのままリードを保って優勝。10000mとの長距離2冠を達成しました。2位はラスト1周で追い上げた上野、3位には大六野が入りました。青山学院の一色は4位に終わり、五輪代表の選考枠内には惜しくも入れませんでした。これで大迫が5000mも五輪代表に内定。名実ともに日本長距離界のエースになりました。リオ本番でどこまでやれるか楽しみです。その前に、早く10000m・5000mの日本記録を破ってください。
【女子200m】
第一人者・福島千里が圧勝で100mに続いて2冠達成。しかも22秒28の6年ぶりの日本記録達成、おめでとうございます。国内短距離では敵なしなので、結果は予想通りですが、ここ数年は記録が伸びずに苦しんでいたので、嬉しさもひとしおなのでしょう。これで短距離2種目で五輪代表に内定。リオは福島の集大成となりますね。
【男子200m】
飯塚が20秒11という日本歴代2位の好タイムで見事な優勝を遂げました。本人もこのタイムは予想していなかったようで、喜びを爆発させていましたね。昨年の日本選手権はレース中に肉離れを起こして途中棄権という最悪の結果でしたが、これでやっと留飲を下げられたのではないでしょうか。これで五輪代表にも内定しました。
今年はなんと、派遣設定記録を突破していて優勝候補筆頭だった藤光が、左太ももの負傷で危険というアクシデントに見舞われました。トップアスリートたちは怪我とぎりぎりのところで戦っているのだということを、改めて痛感しました。大事に至らないといいのですが…。