昨日、〈ブギーポップ〉シリーズ再アニメ化の報が各所を駆け巡っていました。
【いうまでもなくラノベの転換点となった作品】
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ブギーポップ:人気ラノベの新作テレビアニメ制作が決定 宮下藤花役に悠… | マイナビニュース
TVアニメ『ブギーポップは笑わない』公式 (@boogiepop_anime) | Twitter
ブギーポップは笑わない (ぶぎーぽっぷはわらわない)とは【ピクシブ百科事典】
なんぼでも貼れますが、きりがないのでこれくらいで。
いやあ、興奮するニュースですね。昨日からすさまじい反応が湧き上がっているようですが、当然でしょう。月並みな論評を並べてしまうので恐縮ですが、電撃文庫の現在の隆盛の基盤を築き、セカイ系の源泉となり、ライトノベルの主戦場をエブリデイマジックの伝奇・異能バトル物へと移行させ、ケレン味のこもった文体をライトノベルに導入し、奈須きのこ・西尾維新・時雨沢恵一など現在の最前線のクリエイターたちに絶大な影響を与え、キャラクター小説の文法確立に寄与し・・・と、こちらもなんぼでも書けますが、これくらいで。
あれからもう20年経ったんですね。ブギーポップの面白さや後進に与えた絶大な影響などについては各所で語られていますし、これからさらに多く追想されることになるでしょうから、置いておきます。ここからは1998年についての極私的な語りに入ります。
【1998年振り返って並べてみた】
1980年代から文芸・サブカル・オタク界隈にアンテナを張っていますが、『ブギーポップが笑わない』が発売された1998年は、各ジャンルに面白い作品が投入され、最も愉しかった年の1つでした。もちろんブギーポップもその一翼です。とりあえず、1998年について思いつく作品を並べていきます。
まず東浩紀の本格登場。
平野啓一郎のデビューもこの年ですし。
ウェルベックの長編第1作が出たのもこの年。
Les Particules Elementaires (NC) (Litterature Generale)
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Starlight 2 (Starlight (Tor Paperback))
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極私的にはJホラーの最高作品の1つだと思います。
和製ファンタジーでは〈デルフィニア戦記〉が完結。
遥かなる星の流れに 下―デルフィニア戦記〈18〉 (C・NOVELSファンタジア)
- 作者: 茅田砂胡,沖麻実也
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遙かなる星の流れに(上)―デルフィニア戦記〈17〉 (C・NOVELSファンタジア)
- 作者: 茅田砂胡,沖麻実也
- 出版社/メーカー: 中央公論社
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『レディ・ジョーカー』も年度的には1998年度ですし(??)。
〈人狼城〉の完結もこの年ですし。
SFは当時「冬の時代」といわれていましたが、すぐれた作品は出ていました。極私的に印象に残った作品を挙げていくと、
年度としては1998年度に入るということで。
アンソロジーとしてはホラーにあたりますが、開始が1998年度ということで。
このシリーズがコンスタントに刊行されていれば、1990年代~ゼロ年代にかけてのSFシーンはもう少し変わっていたはずです。
重要なデビュー作もありました。
翻訳SFでは〈火星三部作〉が開幕。
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時間SFの頂点の1つがありました。
- 作者: スティーヴンバクスター,Stephen Baxter,中原尚哉
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これも1998年でした。
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- 出版社/メーカー: 国書刊行会
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後にスニーカーから絶縁されたこちらもスタート。
これも忘れてはいけません。
フルメタル・パニック! 1_戦うボーイ・ミーツ・ガール_フルメタル・パニック! (富士見ファンタジア文庫)
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アニメでは、『lain』が1998年の極私的ベストの作品です。 というより、いまだに極私的オールタイムベストでこれを超える作品には出会っていません。
serial experiments lain Blu-ray BOX
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レトロゲームやってみた①~serial experiments lain~ - otomeguの定点観測所(再開)
『CCさくら』の放送開始も1998年でした。
カードキャプターさくら(公式)(@ccsakura_info)さん | Twitter
こんなのもありました。
これも入れときますか。
ギャルゲーではまずこれ。
これを覚えている人も多いでしょうか。クオリティとしては『ときメモ』を上回っていたと思います。
伝説の問題作。
センチ20thプロジェクト (@senti_20th) | Twitter
後のKeyの系譜に連なる1990年代のギャルゲーの頂点の1つであり、恋愛アドベンチャーの定式を確立した作品の1つ。
90年代後半に訪れた空前の「ギャルゲーブーム」 - Middle Edge(ミドルエッジ)
そろそろきりがなくなってきたのでこの辺にしておきますが、こうして並べてみるとやっぱり1998年は充実した1年だったんですねえ。
【ブギーポップ旧アニメ&実写版】
〈ブギーポップ〉にはかつてアニメと実写映画がありました。両者とも黒歴史扱いにするほどひどい作品ではないですが、原作と違うオリジナル展開・演出を目指した結果、あまりぱっとしない出来だったという記憶があります。アニメのOPの曲は良かったんですが。
2018年版のアニメは原作をきちんと生かして展開してくれるのでしょうか。いずれにせよ、続報を待たなければなりませんね。