コオロギビール感想
先日、コオロギビールのニュースが流れていましたが、あれ、本格的に製品化するのか・・・。とりあえず3月に飲んでいるので、軽く感想を書いておきます。
私達はなぜコオロギビールを造ったのか|遠野醸造TonoBrewingCompany|note
「コオロギビール」を世界へ!食の未来を一緒に作っていきませんか? - CAMPFIRE (キャンプファイヤー)
— 遠野醸造TAPROOM (@tonobrewing) 2020年3月16日
結論から言えばまともな普通のスタウトです。コオロギを使用したビールという、恐らくは日本のクラフトビール史上最もぶっ飛んだ冒険をしたにもかかわらず、すっきりと飲める黒ビールに仕上がっていました。泡はなめらかで口当たりもやわらか。スタウトとしての苦みやうまみ、コクや香ばしさなどもしっかり保持されていて、ココナッツやミルクに近いフレーバーの甘い香りもあり、バランスよく仕上がっていました。まあ、遠野醸造のビールはだいたいストライクゾーンに収めてくる印象があるので、及第点のそつのない仕上がりというところでした。WEB上の感想を見ても、飲みやすい美味しいスタウトだという好意的な感想がほとんどですね。
・・・飲んだ後、定員の方にも言ったことですが、そこが問題なんです。
普通に飲みやすいスタウトだったので、ホップや麦芽の風味とコオロギの風味が混ざり合ってしまい、昆虫を使う必然性がなくなってしまっています。昆虫食の意義の一つに昆虫の風味や味わいを楽しむことがあるとするなら、これは素材を殺したことになるのではないか。普通のスタウトを飲んでいるのと変わらないじゃん。だったら、普通のスタウトでいいじゃん。このレベルのスタウトならいっぱいあります。まあ、日本のブルワリーはおしなべてスタウトを作るの上手じゃないけど。ローストしたコオロギの風味を生かすなら、例えばペールエールに香ばしさを乗せればシンプルに昆虫の風味を味わう美味しいビールになったのではないか。せっかくの冒険だったのに、極私的には残念な印象でした。
現在、クラウドファンディングでボトルを先行販売しているそうですが、製造が所沢ビールですか。うーん・・・。決して悪いブルワリーではないけど、埼玉の中で上位に来るブルワリーでもないからなー。
いずれ注文する予定なので、ボトルを飲んでから最終判断します。
ちなみに、原材料に使われているフタホシコオロギはもともとペットの餌として飼育されているコオロギですが、逃げ出したやつが野外で目撃されたという情報がありました。外来種として定着しないよう、管理をしっかりお願いします。
フタホシコオロギ。茨城にて。宅地脇の草地で複数匹確認。爬虫類の餌用に飼養されていたものが逸脱したものらしい。定着するとまずいのでは。 pic.twitter.com/t2u72vxbiD
— デートアⅢ月紀 (@stylogaster1) 2020年6月3日
フタホシコオロギは沖縄県では自然分布ですが、本土では間違いなく逃げたか捨てられた個体です。また、フタホシコオロギは野生下では真っ黒になるため、先程のツイートにある個体はある程度人家で育てられたものであり、野外で繁殖したわけではないと考えられます。 https://t.co/HfO4rfMw50
— 直 翅 類 . j p 【 公 式 】 (@orthoptera_jp) 2020年6月3日