otomeguの定点観測所(再開)

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『あんの青春 春を待つころ お勝手のあん』

 今回のレビューは先月発売の柴田よしきさんの時代小説です。

  

  オビに『江戸版「赤毛のアン」』と書かれている通り、品川の女中見習いおやすを主人公にした、時代小説版の『赤毛のアン』です。『赤毛のアン』第2作は『アンの青春』ですが、この本はシリーズ第2巻で文字通りの本歌取りとなっており、主人公・小安の青春真っ只中の物語です。少しづつ仕事を任されるようになって幅が増えて成長してきたり、お姫様と出会ってドキドキしたり、親友の縁談にドキドキしたり。いろいろ迷惑をかけるおてんば娘でだけど一途で、周囲の人たちに愛されながら成長していく姿はまさに本家『赤毛のアン』を彷彿とさせますね。今後のおやすの成長も楽しみです。

 あくまで本歌取りですが、単体で読んでも十分に面白い小説です。時代小説・歴史小説ファンのみならず、恋愛小説や青春小説など他のジャンル小説の読み手、海外文学の読み手、そして何より『赤毛のアン』が好きな方にぜひ手に取ってほしい作品です。