リオ五輪~陸上・男子10000m~
リオ五輪の陸上・男子10000mは五輪史上最もハイペースなレースの1つになりましたが、モハメド・ファラーがラスト100mからのスパートで快勝し、見事に五輪10000m連覇を達成しました。
【男子10000mレース概括】
結果 - 男子10000m - 陸上競技 - リオオリンピック特集 - Yahoo! JAPAN
ケニアのポール・タヌイとビダン・カロキが序盤からレースを作り、ケニア勢も徒党を組んで細かい揺さぶりをかける中、序盤からハイペースかつ小刻みにペースが上下する激しい展開となりました。目まぐるしい中にあっても自分のポジションをきちんと確保し、余裕をもって最後まで対応し、かつスパートの余力まで残していたのですから、ファラーの地力が他の選手を一段上回っていることを改めて証明するレースとなりました。転倒のアクシデントもありましたが、すぐに立て直したのでほとんど問題はなかったようですね。やはり強い。
しかし、ラスト1周まで5人の集団でもつれるという、近年にない僅差の戦いとなりましたので、快勝ではあっても完勝ではありませんでした。他の選手もファラーの背中に大分迫ってきている気がします。5000mはもっと出入りの激しい展開になるでしょうから、こちらも見応えのあるレースになりそうです。
日本勢は大迫の17位が最高でした。中盤まではなんとか先頭集団についていましたが、ハイペースの中で7000mあたりから遅れ始め、なんとか27分台にまとめましたが、10000mではまだ走力の不足を感じさせるレースになってしまいました。自己ベストからすればこんなものでしょう。まずは10000mの記録を27分台前半、そして27分10秒を切るくらいにまでのせていかないと、五輪での入賞は難しいと思います。でも、大迫についてはまだ伸びしろや戦える可能性を感じさせる走りでしたね。というか、世界と戦える可能性があるのは大迫しかいないということが改めて分かりましたね。大迫は5000mの方が得手ですから、次の5000mはまず決勝進出に期待したいと思います。
村山と設楽は昨年の北京世界陸上に続き、なすすべなく敗れ去りました。少しペースが上がった2000m付近で早くも遅れ始めたうえ、最後は2人とも自己ベストからはるか遠い29分近くかかる体たらくでした。まるで昨年の世界陸上の映像を再生しているような、みじめに並んでビリを走る姿。どう言い訳を連ねようとも、同じ失敗を無様に繰り返したのは厳然たる事実です。国内のぬるいレースでは自分の思うように走れますが、海外でレース条件が厳しくなると途端に何もできなくなる。要するにひ弱。2人は大迫からも大きく引き離され、村山に至っては大迫にも周回遅れにされました。これが日本の駅伝のスター選手の現在地です。村山には5000mでの巻き返しを期待したいところですが、期待できそうな要素が見当たりません。
ごく当たり前の事実を確認しておきましょう。箱根やニューイヤーなどの駅伝で区間賞をとったり、国内の記録会におけるぬるい設定で好タイムを出したりしても、その選手の競技力とは何の関係もないということです。